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左対左の有効性(1)

野球のセオリーの一つとして、左投手に対する左打者への有意性がある。


ゲームを見ていると、それが有利だと理解していながらワンポイントリリーフの失敗があると
決まって監督の決断に批判を浴びせる。
テレビの実況解説などでも、最近は左対左に拘るよりは
選手の調子を見極めた采配をすべきだという意見も多い。
分割データなどでも、「この左打者は左投手の方が打率が高い」
といった傾向は良く出てくる話題だ。


これはNPB、MLBに関らずどんなリーグでも同じような意見が出てくる。


でも実際、左対左に拘らず投手交代を行なう監督は未だかつてお目見えしていない。
そこにファンのストレスが溜まる。


この現象をデータを使って解析してみよう。
対象とするのは、昨季MLBの公式戦に出場し、通算打席数が少なくとも100以上はある
128人の左打者のこれまた通算成績。スイッチ打者は対象外。
占めて36100以上のサンプル数なので、実用性はあると思う。


早速、対左投手打率が通算で3割を超える打者から。


.335(.322) Ichiro Suzuki
.319(.254) Brennan Boesch
.317(.262) Nate Schierholtz
.306(.316) Joey Votto
.305(.293) Juan Pierre
.302(.331) Todd Helton
.300(.311) Robinson Cano

以上の7名が対左投手通算打率3割の打者(カッコ内は対右投手打率)。割合にして5%にしか過ぎない。
この中ではIchiroがダントツに近いレベルで突出しているが、元の打率が高いので対右投手との
差は1分3厘となっている。左右万遍なくという意味では正解だといえる。

BoeschとSchirholtzは通算打数が1000に満たないキャリアのため、
参考程度と受け取っても良いかもしれないが、
対右投手打率との乖離もかなり大きく、将来的にも期待が持てそうだ。

Votto、Helton、Cano、Pierreは実績十分ではあるものの、
Pierreを除いては対右投手の方が高い打率を残しており、左投手の方が得意だとはいえない。


次に、左右投手別打率で対左投手の打率が良い打者。
カッコ内は右打率-左打率

.065(.319-.254) Brennan Boesch 
.056(.317-.262) Nate Schierholtz 
.056(.288-.233) Bryan Petersen
.050(.289-.238) Daric Barton     
.038(.287-.249) Kelley Johnson
.037(.280-.243) Josh Reddick  
.036(.290-.254) Blake DeWitt   
.033(.280-.246) Chris Getz      
.029(.295-.266) Mike Carp      
.028(.267-.239) Alex Cora  
.025(.277-.252) Logan Morrison   
.025(.249-.224) Jack Hannahan  
.016(.287-.270) Endy Chavez     
.014(.293-.278) Ross Gload    
.013(.335-.322) Ichiro Suzuki
.013(.305-.293) Juan Pierre 
.009(.291-.282) Denard Span   
.006(.239-.233) Dan Johnson 
.000(.253-.253) Mitch Maier     
.000(.285-.285) Hideki Matsui
  
左右間同じ打率のMaierとMatsuiを含めて20名。16%の打者が右投手のときよりも
打率が高かった。ここではBartonとK.Johnsonが目を引く。両者に共通しているのは、
ボールをじっくりと見極めるタイプだが、これは後に出す予定のデータによって、
完全なる根拠にはなり得なかった。


全体を見渡すと、パワーヒッターの数が非常に少ない。D.Johnson辺りのレベルまで落ちると、
どっちもどっちという印象を受けてしまい、強いて挙げればCarpとMorrisonくらい。
シングルヒッターの方が、ボールに当てることへの意義が強いのでこれはこれで無難な結果なのかもしれない。


今度はOPSに移ってみよう。選球眼と長打力が試される。


.899(.981) Joey Votto       
.870(.887) Chase Utley       
.855(.960) Jason Giambi      
.850(.697) Daric Barton      
.849(1.022)Todd Helton       
.846(.740) Brennan Boesch     
.840(.759) Mike Carp        
.818(.854) Robinson Cano      
.813(.969) David Ortiz       
.813(.692) Blake DeWitt     
.808(.933) Travis Hafner    
.808(.840) Hideki Matsui    
.800(.788) Ichiro Suzuki    


対左投手OPS.800以上の打者は13名で、10%の割合。

この辺りでUtley、Giambi、Ortiz、Hafnerといったスラッガーが登場してくる。
ただし、Utleyを除いては対右投手よりも1割以上も数値が下がっており、全体トップの
Vottoもその例外ではない。Bartonに至っては対右投手OPS6割台とは、
凄いのか凄くないのか良くわからない打者である。

その点、DeWittとIchiroは健闘している数字といっても良いだろう。Matsuiも打率のお陰でOPSの
下落をほどほどに喰いとめている。


.154(.850-.697) Daric Barton  
.137(.796-.659) Bryan Petersen  
.121(.813-.692) Blake DeWitt     
.107(.846-.740) Brennan Boesch
.092(.785-.694)Josh Reddick
.081(.840-.759) Mike Carp      
.077(.789-.712) Nate Schierholtz  
.049(.781-.732) Denard Span   
.045(.657-.612) Chris Getz 
.039(.707-.668) Mitch Maier 
.034(.808-.774) Kelley Johnson   
.027(.671-.644) Alex Cora  
.012(.800-.788) Ichiro Suzuki  
.008(.681-.673) Jack Hannahan   
.006(.691-.685) Endy Chavez    
.000(.708-.708) Juan Pierre     


これが左右投手別OPSで対左投手の打率が良い打者。カッコ内は右OPS-左OPSで、16名13%の割合。
D.Johnson、Morrison、Matsui、Gloadが抜け、後は全て対戦打率で顔を出した
選手になっている。

ということは、ここに出てくる選手のOPSは長打力や選球眼ではなく、
打率でOPSを押し上げた可能性が極めて高い。


ここで最も肝心なデータである三振/四球の比率を出すことにする。
セイバー系のサイトでは四球/三振として紹介されているが、それを逆さまにしただけの話ではあるが、
この計算式だと優劣が降順となってしまい、数値の高い順から優秀と覚えられるのは良いが、
殆どの打者が三振>四球であるためゼロコンマの世界で判断しなければらならない
これはセイバーメトリクス(の計算式)最大の失敗だと思っている。

三振/四球(K/BB)は数値が低くなるほど優秀となり、今のMLBでは毎年2/1の比率となっている。
個人的な計測歴によれば、K/BB1.30以下は優秀、1.00未満はかなりの打者という評価基準で、
2.50を超えると少し危険、3.00以上は選球眼に問題を抱えている打者と捉えて良い。
因みに、4.00を超えるような打者は平均レベルにまで改善するのが困難な状況と見ておくべき。


0.69(2.19-1.50) Bryan Petersen  
0.20(1.84-1.64) Blake DeWitt 
0.16(1.84-1.84) Endy Chavez  
0.03(3.20-3.17) Mike Carp      
0.03(1.00-0.97) Juan Pierre
-0.03(3.72-3.75) Josh Reddick  
-0.09(1.49-1.58) Ichiro Suzuki    
-0.12(1.10-1.22) Daric Barton    
-0.12(1.21-1.33) Denard Span  
-0.20(2.38-2.58) Brennan Boesch  
-0.40(1.81-2.21) Mitch Maier  
-0.66(2.06-2.72) Jack Hannahan  
-0.90(1.46-2.36) Chris Getz 
-1.23(1.58-2.81) Alex Cora      
-1.59(2.74-4.33) Nate Schierholtz 
-1.25(1.72-2.97) Kelley Johnson   


これが、前出の対左投手OPSの項目で登場した打者達の左右間K/BB。
カッコ内、対左投手K/BBから対右投手K/BBを引いてプラスになった打者は「左投手に強い」
もしくは左右互角と評価すると、残ったのはPetersen、DeWitt、Carp、E.Chavez、Pierreの5人だけに
なってしまった。Petersenは通算159打数のため参考程度に扱うとして、
シングルヒッターとキャリア駆け出しの若手打者のみに絞られる形となった。


特に、K/BBが1.00以上悪化しているK.Johnson、Schierholtz、Coraは対戦打率が高いからといって
「左に強い」と論評してしまうと、すぐさま足元を巣食われても可笑しくないほど
打席上のアプローチ面では劣化現象があるということだ。


これらの打者以外に、打率やOPSが劣っているにも関らずK/BBだけは対左投手の方が良かった打者は、


1.31(5.20-3.89) Reid Brignac 
0.40(1.76-1.36) Melky Cabrera  
0.39(2.62-2.23) Jon Jay    
0.36(1.92-1.56) George Kottaras 
0.26(2.40-2.14) Mike Moustakas  
0.18(1.58-1.40) Brett Gardner    
0.05(2.42-2.37) Colby Rasmus 
0.00(3.15-3.15) Felix Pie    

 
と僅かに8名。前出の5名と合わせて都合13名となり、これは打率(20名)OPS(16名)よりも
少ない結果となった。


このように、簡単な調査ではあったが左対左の対戦で有利が確定した打者は存在しなかった。
今後の行方も見据えた候補としては、Boesch、Carp、DeWittが挙げられる。
ただし、CarpについてはK/BBそのものを改善しなければ成績全体が悪化する可能性はある。
また、有利とはいわなくても互角と呼べるのは、Ichiro、Pierre、Spanといったシングルヒッターで、
K.JohnsonとSchierholtzは別の視点から見ると対左投手への強味があるのかもしれない。

また、K/BBの観点から考えると、Melky CabreraやKottarasも今後成績を上昇させる可能性が残されている。


これらの打者には、データ上では無理をして左投手を送る必要はないが、
特に交代させても差し支えないレベルのようにも見える。


ただし、長打の心配はない反面、得点圏に走者を置いた場面では
単打で1点を取られる危険はまた別に考えないといけない。
BoeschからSpanまでの6人にはそうした傾向があるといえる。


ファンや解説者が度々指摘するのは、そういった場面が多いからだ。


次回は、MLBを代表する強打者達を中心に記事を作り、その時は長打力についての言及も交えながら
左対左の有効性についてまとめてみたい。

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Yu DarvishがRangersと契約

個人的には、ドラマチックさのカケラも感じない交渉&入団劇だった。
マネーゲームさえ存在しなかった。


周囲は松坂の条件を越えたと騒いでいるが、NPB時代の数々の投球クォリティに関するデータや、
メジャー挑戦となった年齢が当時の松坂よりも一歳若いという点を考えると、とても超えたようには見えない。
しかも、現在の為替レートでは6000万㌦が46億2000万円ということで、年平均すると7億7000万となる。
Darvishがポスティングを表明する前にあった日本ハムオーナーの10億円発言がそのまま実行されていたら、
生涯報酬に関しては残留していた方が恐らく有利だっただろう。


レンジャーズが5170万㌦で落札したニュースを聞いたとき嫌な予感がしたものだが、
契約条件に関することなら日本に留まる理由はいくらでも見つけ出せる。
それ以外の理由で渡米するのだと言い聞かせるしかない。


ここで確認のため、一つシミュレーショを行なう。
TEXとの6年契約は年俸が次第に上昇する取り決めになっている点は違うが、
目安として平均77,000万円(7億7000万円)に慣らした上で比較してみることにする。


Darvishの年ごとの報酬に関する情報はここから。
http://www.baseballprospectus.com/compensation/cots/?page_id=92

         TEXと契約     NPB残留
2012(26)     77,000      65,000  読売・坂本とトレード(案)
2013(27)     77,000      80,000
2014(28)     77,000     100,000  この年を持って海外FA
2015(29)     77,000     110,000  FAでメジャー球団と契約
2016(30)     77,000     120,000
2017(31)     77,000     130,000
2018(32)      ?         ?  
計         460,000     605,000


断っておきたいのは、Darvishのキャリアが全て順調に進んだ上での話しで予測している点。
読売とのトレードが必要かどうかは別にして、取り敢えずはFAまでに最大10億円の負担で
慰留することは可能だったであろう。例え、日ハムが抱え切れなくても読売か、特に阪神(これまで)
の財力なら話はより現実的になる。その後、2014年を持って海外FAとなり日米の球団と交渉。
ベースが10億(1300万ドル相当)になっているため、MLBの球団はそれ以上の額を提示する以外
獲得への筋道はなく、これも目安ではあるが3年36億円(約4700万㌦)契約。
メジャー3年目の31歳で年俸2000万㌦に近付くことで到来の目標に到達。
ピークを超えるであろう32歳以降の契約ではそれまでの実績から再検討。


この、至極現実的なシミュレーション通りに進めば、31歳の時点で14億円以上の開きが生じる。
NPBでのキャリア途中に故障があれば昇給ペースが鈍るかもしれないが、
そこは複数年パッケージを結ぶなどギャランティさせる方法もある。
仮に、上手いこと事が運ばなかったとしても(2014年の海外FA後の契約も含めて)、
今回レンジャーズが提示した条件を下回ることは想像し難い。


つまり、松坂の時と同じようにNPB球団への落札金がDarvishの市場価値を
大幅に落としたことは疑いようもない事実だ。
そして、NPBはスター選手の海外流出を自ら容認し、市場を狭めることを選択したとしか考えられない。


しかし今回の落札で、NYヤンキースがお茶を濁す程度の金額(15億6000万)
でしか入札しなかった割には途方も無い値がついた。
単に、レンジャーズとジェイズの争奪戦となった訳だが、
そもそも松坂の時はヤンキースとレッドソックスというメジャー有数の金満球団が
激突したことで相場が跳ね上がったという経緯がある。
結果的に僅差でレッドソックスが落札し、情報戦も熾烈を極めたが、両者の利害(ライバル)関係と比べれば
レンジャーズとジェイズがここまで競う筋合いも合理性もなかったはずだ。
例え、落札出来なかったとしても他のFA投手に手を伸ばす選択肢はあった。


それを難しくしたのがポスティングを表明した時期。
12月に入ってウィンターミーティングも終了した段階で動きがあったため、
年内での決着はほぼ不可能になった。
この段階で入札に参加する球団がごく一部に限定されてしまったといっても大袈裟ではない。
よって、Darvishを必要とする一部の球団によって適切な入札が行なわれるストーリーが
出来上がりつつあったのが、2球団の情報を読めない競争により落札金の下落は避けられなかったと推察している。


結果、Darvishに回ってくるはずの金額が入札金に流れてしまったために、
交渉では大幅に譲歩するしかなかったのかもしれない。
日本ハムからキックバックして貰えば良いじゃないかという意見があるかもしれないが(合法かどうかは別)、
公にされる年俸は大事な部分でもある。
5170+6000という配分は、4000+7000だったり、3000+8000でも良かった。
「ポスティングによる落札額&契約金のバランス」の例から言えば
3000+4000の3年契約でも成立していた可能性はあったと思う。


※、日本人選手の落札金&契約のバランスに関する記事
http://blogs.yahoo.co.jp/ava20060217/51181503.html


昨日の記者会見をテレビで見る機会があった。
「どうして今の年齢でメジャーに行く気持ちになったのか?」というグッドクェスチョンに、
「今は言うべきではない」とやや不可解な返答をしていたDarvishに対し、
これまで通りに夢や憧れといった言葉を使わなかったことについては彼らしいと思ったが、
ならばメジャーに行く意味が見えない矛盾も同時に感じた。


この選手については、夢などではなく現実をとことん追いかけて欲しかった。



※、Darvishの契約に関する自前記事

ダルビッシュはMLBに行かされるんかい?
http://blogs.yahoo.co.jp/ava20060217/52117659.html

まだまだ諦めない ダルビッシュのトレード案
http://blogs.yahoo.co.jp/ava20060217/52132082.html

日本ハムの駆け引きが面白すぎる
http://blogs.yahoo.co.jp/ava20060217/52212754.html

ダルさんの反撃と10億円の価値
http://blogs.yahoo.co.jp/ava20060217/52215949.html

青木宣親がBrewersと契約

険しい逆風が吹く中で、2年+オプションの契約に漕ぎ着けたようだ。
昨年までの半分お祭り気分でメジャー挑戦を扱うメディアも、今回はやけに慎重。

ただ、道のりが平坦でなかった分、青木に声援を送りたいと考えるファンは増加したかもしれない。
まさに、”人生いろいろ”。

承知の通り、Ryan Braunのドーピングスキャンダルにより外野の一角にポッカリと
穴が空いてしまったMilwaukee Brewers。市場に残っている外野手のラインアップを見る限りでは
他にも選択肢があったように見えたが、Braunが51試合目から復帰するようであれば
先日Cincinattiと契約したRyan Ludwickのような選手とは合意が難しい。
同じく、Houstonに入団したJack Custであればもう少し条件を引き下げてでも
確保出来ない訳ではなかったと感じられたが、既にAramis RamirezやAlex Gonzalezといった
パワーのある内野手を補強したチームにとっては、堅実な打力を誇る青木への価値は
他球団よりもニーズを感じたといっても違和感はない。

とはいえ、MLBの市場における青木の存在感は本職のセンターのみならず
全てのポジションでアピールしなければならない状況に変わった。
レフトなら打力、センターは守備範囲、そしてライトには強肩が必要とされる。
チームには、日本での知名度こそ低いものの
先ずはライトのハートが確定。センターにはモーガンかゴメス、
そしてレフトはモーガンと青木の競争となり、最終的にはレフトは打力で優劣が決まるであろう。

それはともかく、現在のBrewersは極めてデプスの薄い球団なため
年間通してメジャーのロースターに座る期待は出来るが、若手有望株の中には
青木とタイプの似たLogan Schaferという選手もおり、予断は許さない。
http://www.youtube.com/watch?v=2lE7V6dkugU&feature=related

また、契約に関する詳細が明らかになっていないため、NPBで実績を作った青木に対して
どれだけの特約条項が付帯されているかどうかも判明していない。
これまで、マイナーオプションの行使や保有期間などは極力免除してもらっていた日本人選手だったが、
しばらくの間は何が起きてももう驚かない。

しかし、結果を残した選手については市場が黙っていないことも確かであり、
そのチャンスをどれだけ確保したかについては定かではないが、
取り敢えずの挑戦権は獲得した。

貴重な時間を少しでも有効に活用して欲しい。

堀本律雄さんと登板間隔今昔

読売ジャイアンツなどで活躍した堀本律雄さんが亡くなられた。享年76歳。
先ずは故人のご冥福をお祈りしたい。

堀本さんに関する記憶は、東京五輪以降に生まれた私としては当然記憶にない。
1960年に新人王を獲得しているが、通算記録では目立ったものがなかったので
生前中も殆ど覚えていないのだが、「沢村賞を獲得した投手は寿命が短い」という定義を基に
ある調べものをしている最中に目が止まったことはある。

その堀本さんの現役時代を連想させるに、適した動画が残っている。
http://www.youtube.com/watch?v=5qnXdlD9dCo&feature=related

これは明らかに11PMですな。データ紹介から見ると1983年の頃だと思われる。
中4日で投げる江川を酷評しているあたり、時代を感じさせる内容になっているが、
こうした議論に積極的に関るOBって見かけないんだよね。何人かを除いて。

番組が途中で切れているため、ここで堀本さんがどんなコメントを出しているかは見当がつかないけれども
「私は酷使されたために選手寿命が縮まってしまいました」と発言した人は
お目にかかったことがないので、たぶんそういうことだろう。

昭和のプロ野球は、あまりにもエースが投げ過ぎた。
それが基準になっているから、各所で様々な弊害が起きていたのだけれど
みんなもうわかっているよね。

でも、具体的には何がどうなのかわからない部分も多い。
時間だけが経過している。。。


TARKUS

NHK大河ドラマ「タルカス」で挿入曲となっている「清盛」という曲についてだが。
あれ、なんだかおかしいなぁ。

毎週6000万という大金を注ぎ込んみながらヒーロー列伝という見せるというのも
何だが、それ以外にも中井喜一のシャキとした演技や、見所は色々とある。
松田聖子を見ると納豆が喰いたくなる、他意はない。

そしてタルカスだ。エマーソン、レイク&パーマーだ。

EL&Pといえば、「悪の教典#9」みたいな仰々しいタイトルも特徴の一つではあるが、
端的に言えばわかり易いプログレっつーことになる。

だいたい、このバンドはキース・エマーソンのプロジェクトに雇いのボーカルが入って、たまにソロタイムを
任される時間を設けてもらい、ドラムはバックバンドだ。当時はこれでトリオが成り立っていた。

私自身、プログレのムーブメントはリアルタイムではなかったものの、高校時代に良くハマっていた。
中でもEL&PとYESは最もお気に入りのグループで、楽器をやっていたせいもあったのだろうが、
とにかく演奏主体の音楽に胸熱だった時期が続いた。同じプログレでも、King Crimsonは敷居が高く感じ、
Pink FloydとGenesisは文科系的なのがちょっとついていけなくて、
言うなれば体育会系的プログレのファンだったということになるのかな。
バイト先の友だちで末期症状的なマニアがいて、よくレコードを貸してもらっていた。

タルカスとは、EL&Pの2ndアルバムのタイトルチューンであり、また20分を超える楽曲の集合体。
妄想上の生き物が由来となっていて、普段特に何かをするわけではなく、悠々自適に暮らしているらしい。
メインテーマとなる「Eruption」が清盛の挿入部分になっているので、耳にした人も多いだろう。
ここはエマーソンの独壇場で(といっても全編そうなるが)、リズム隊は取り敢えずユニゾンで合わせとけっていう程度。
この部分のドラマチックな展開が劇中にマッチすると踏んだのだろうなぁ。聞き心地抜群。

テンポがスローになってからが「Stones Of Years」の始まり。昔はやっと歌が出てきたと安心したものだが、
今ではちょっと退屈な部分。ここでのムーグシンセによるソロパートがちょっとたどたどしい。
プログレの人達って、リズム感覚を無視して音数を詰め込む習性があるみたいで、
スタジオテイクでも余裕で外してくることが多い。

再びメインテーマのベースラインが登場してくると、確か「Iconoclast」じゃなかったか。
ここでもグルーブ感がヨレる。そこを踏み越えて聞くのがプログレファン。
変調した部分から「Mass」の始まり。再びボーカルパート。歌詞は巡礼をパロった内容とでもいうのか、
その辺が70年代という気がしないでもない。「Manticore」のタイミングはちょっとわからないままだが、
上昇フレーズの入ったユニゾンパートの辺りだと思う。

スローテンポがまた始まって「Battlefield」。ここはたっぷりと時間を掛けている。
やっぱりタルカスは闘神の化身だったのか?
そして凱旋行進を連想させる「Aquatarkus」へ向かう。
エンディングはEruptionに戻ってフェイドアウト、じゃなかった奇麗にフィニート。

と、構成や歌詞は余り深く考えずに聞く方が良い。
楽曲自体がとてもポップなので、フリーランスなソロパートと前のめりなリズムに違和感が無ければ
そのまま突っ走っていけるだろう。

EL&Pといえば、エイジア。これもツボったバンドだった。
産業ロックアンチという人種もいたが、そうじゃなくて集金ロックだったのだけれど。
ここのJohn WettonとSteve Howeという人達はご贔屓のミュージシャンで、
良質のボーカルとやや中毒性の高いギターが決して絡み合うわけではなく、拡散した状態が
売り物のグループだった。
そのエイジアのTime Againという曲を、日本の女子学生がエレクトーンで演奏している動画があった。
恐らく課題曲か何かの発表なのだろうと思うけど、これがまた凄かった。
一人三役でベースライン(ペダル)からファズったギターサウンドまで再現していた。
演奏自体の感想はちょっと控えたいが、Howeの変則5連フレーズに果敢に挑んでいるのが凄まじい点。
エレクトーンという楽器がここまで楽曲をカバーするものなのかと初めて知り、いたく感動した。


最後に、清盛が舞を披露する場で剣をブッ刺すシーンは、あれキース・エマーソンの影響じゃないかね?

津田恒実氏の殿堂入りは基本的に間違っていない

このタイトルに反論したい方は、今年の分も含めて過去4年間の資格者と投票数それぞれを丸暗記してから出直してきてくれ。


つい先日までは、てんで感心が無かったのだが「津田が入ってブーマーが入らないのはおかしい」とか、「現役中亡くなられた方に対し温情票が集まったのでは」など、選考委員会の見識に疑いをかけるような意見を多く目にした。

かくいう私も、MVPや沢村賞といった投票で決まるアワードについては正直信頼感というものは薄い(ただし、昨季セMVPに選ばれた浅尾については同意している)。どうせなにか魂胆があるのだろうと考えても不思議ではなかったが、彼の奥さんが書いた本「最後のストライク」が、人生で初めて涙を流した本だったという人間としては、ネット界隈での意見が荒れる姿に耐え切れず、些細な範疇ではあるが日本の野球殿堂について調べてみた。そして、色々なことがわかった。ある意味、怪我の功名というか、賛否両論が起きたことについては逆に感謝したくなった。

基本的に参考とさせていただいているのは、「こちら、プロ野球人事部」さんのHP。
年俸調査の件では度々利用させてもらっているが、この件ついても詳細なデータが掲載されていたことを
知り、深く感謝申し上げたい。本当に素晴らしいサイト。
http://home.a07.itscom.net/kazoo/pro/dendou.htm

ここから津田氏の投票数を追ってみて欲しい。現在とは制度の異なる1999年から票を集めていたことがわかる。

1999年  64票(15位)
2000年  なし
2001年  74票(10位)
2002年  96票(9位)
2003年  130票(7位)
2004年  154票(6位)
2005年  なし
2006年  なし
2007年  なし
2008年  なし
2009年  111票(5位)
2010年  153票(4位)
2011年  212票(3位)
2012年  237票(選出)

殿堂入り投票は2009年を境にして投票対象となるプレーヤーが増加している。ここはまだ不勉強なので、
基準が変更になっただけと一応、考えておきたい。これを見れば、今回津田氏への投票が一過性の強いキャンペーンなどではなく、かなり以前から認識されてきたことがわかった。温情票は間違いなく入っていると思うが、それも地道なキャンペーンによって心を動かされた記者が多数いたのかもしれないと結論付けられる。

一方、今回の選出漏れで資格を喪失したとされているブーマー・ウェルズ氏の投票は、2009年から始まっている。そのブーマー氏への投票数を抜き出してみると、

2009年  91票(8位)
2010年  111票(7位)
2011年  184票(4位)
2012年  223票(資格喪失)

検討はしているものの、毎年津田氏の後塵を拝しているではないか。これで最後の年に逆転する方が返って不可解な出来事になる。ブーマー氏の活躍はよおおおおく知っているつもりだ。外国人選手に対する不公平感を取り除くためにも、今回はブーマー氏を選出した方が今後の野球界にとって良薬になるという意見には賛成だ。しかし、この長きに渡ったロビー活動の前には「ハンキュー・ベリーマッチ」も外角高目のボール球に手を出して三振という結果で当然かと思う。「最後のストライク」が発売された当初は、売名行為などある筈も無かった。その後、随分と時が経ってからドラマ化されたようであるが、一般的な知名度を得たのはそこからではないだろうか。

このように、良く知らない人が闇雲に批判しても津田氏が殿堂入りする準備は整いつつあったということだ。その点を弁えた上で批判するならしてみてはどうだろうか。


そういえば、落合博満氏も2年連続して僅か1票差で落選したニュースで賑わっていたことがあるけれど、あれも投票しなかった記者達を批判する理由は無いと思うね。そもそも、一発当選のような格付けは好きじゃないし、結果的に選出されたのだから問題はないだろう。批判されるべきは今後の行方にある。

というのも、今回津田氏もしくはブーマー氏以外で誰か適任者がいただろうか。
史上最多セーブ記録(日米通算)の佐々木主浩、先発リリーフで活躍した大野豊、最多勝5回の斎藤雅樹。
現ソフトバンク監督の秋山幸二、そして現読売監督の原辰徳らは将来の殿堂入りが有望だ。前西武監督の伊東勤も個人的にはよいと思う。しかし、問題は5年から先の話だ。

ここで、個人的主観で来年以降の殿堂入りをシミュレートすると、

2012年  大野豊、秋山幸二
2013年  佐々木主浩、原辰徳
2014年  古田敦也、斎藤雅樹
2015年  伊東勤、清原和博
2016年  桑田真澄
2017年  工藤公康
2018年  金本知憲(あくまでも予測)
2019年  山本昌弘(あくまでも予測)

将来的にはメジャーリーグで長期活躍した選手も組み込まれると思うので、ここにイチローや松井秀喜らの
名前も入ってくるだろう(金本、山本昌と同じく時期は未定)。

でもなんだかおかしい、何かが抜けている。
そう、急に基準を切り上げてしまった(要するに対象期間が早まった)ので、ある年代が抜けてしまっている。
どうしてシミュレートしたのかというと、これについて記述したかったからだ。
仮に、上の通りに選考されたとして、世代間の受賞者人数はこのように分散される。

1920年代  18人(川上哲治、大下弘など)
1930年代  19人(金田正一、長嶋茂雄など)
1940年代  13人(山本浩二、村田兆治など)    

1950年代   5人(落合、大野、東尾修、北別府学、原)
1960年代  10人(古田、佐々木など)

※、エキスパート投票、特別表彰対象者は除外


1950年代にポッカリと穴が開いたようになっている。1920年代から1930年代までの人数が多いのはある意味仕方が無い。プロ野球が発展する時期に差し掛かっていて、また投票者の世代ということも少し関係しているかもしれない。想像に過ぎないが。

この50年代に生まれた選手は今でも殿堂入り資格者が多く、その有力者達は毎年選考されながらもとうとう1960年生の津田氏まで世代が下がってきた(津田氏の有資格者特別ではあるが)。そして、資格者の基準が変更された今、ニュースの受け具合を求めるのなら知名度が高く、そして若い方が有利でもある。

そうしていくと、どうしても前の世代は不利となってしまい、挙句の果ては資格喪失に至ってしまうだろう。
これをそのまま放置しても良いのかというと、個人的な殿堂入りのガイドラインとしては、世代間で万遍なく、そして各ポジションの配分にも気を配るべきだと思っている。どうしても邪魔になるのが個人記録だ。今回のように、津田氏とブーマー氏の図りを個人成績に求めるのであれば、既に資格を喪失している元選手にも同じことがいえる。

打撃の仙人こと榎本喜一、軟式野球から転向しエースとなった土橋正幸、天秤打法が有名だった近藤和彦、18歳の四番打者こと土井正博、怪童尾崎行雄、そして金しかいらんこと星野仙一(失礼)などなど。50年代の選手は、

江川卓
真弓明信
小林繁
掛布雅之
石毛宏典
山口高志
遠藤一彦

また、韓国球界でプレーした後帰国し40歳を超えてもなお現役だった新浦壽夫や、台湾出身者でMVPを獲得した郭源治などは、グローバルな観点からすれば歴史的にも重要なトピックである。彼らが主に活躍した1970~1980年代はプロ野球の人気が最高潮に達した時代とも考えられ、この時代に憧れを抱いた元少年達は数多くいる。人によっては酷使がたたり寿命を縮めたり、分業制が始まったことでリリーフ転向の影響を受け通算勝利数の面で不利になったり、はたまたタレント活動が行き過ぎて人生設計を誤ったり、過去にも劣らず波乱万丈な世代だといえる。

今回の投票を見て、江川も掛布もそして石毛もいない。落合が昨年選出されたくらいだから、てっきりこれからなのかと思っていたが、ひょっとして資格喪失しているのだろうか?それならそれで、今後エキスパート表彰や特別表彰などの選考も残されてはいるが、1940年代から一気に1960年代まで飛ぶのはどうも納得がいかない。でも、投票の行方はきっとそうなるだろう。

これまでの殿堂入りは、引退時期からかなりの期間が経っていたため存命期間中に表彰を受けられなかった人達も大勢いたと記憶している。メジャーリーグのように、早ければ40過ぎで選出されるのは悪くないと思う。だからといって、ひと世代をまるまる失念するような変更は歓迎出来ないし、それ以前にプロ野球だけの成績を基準に置くのも少々淋しい。日本ではあれだけ高校野球熱があるのだから、そこでの力投や活躍も考慮する懐の深さが欲しいところで、それをまとめるためのジャーナリズムは絶対に必要となって来る。

そもそも、野球殿堂は選りすぐりのさらに絞った人材のみが入る場所だと誰もが思っているだろうから、本音をいえば津田氏の選出がパーフェクトだとも思っていないし、今後の選出で100%の太鼓判を押せるのは古田、イチロー、松井、そして金本くらいだろう。それ以外の候補者は世論なり、記者達のロビー活動なりで議論した上で決まれば良いとも思う。その見識が確かなのかどうかは投票者が成仏してから数十年後のことなのだから。


とにかく、津田さん、奥さん、おめでとう。

優柔不断なつわもの

黒田博樹もヤンキースに決まった。自分ではレッドソックスに予想していたのだが、まぁご近所ということで。


ついさきほど、とある方のブログでやり取りをした際、優柔不断という言葉が出て来た。
恐らく、決断に至るまでの時間が長い、チャレンジ精神が旺盛なようには見えない
とのように感じられたのだろうが、
確かに昨シーズン中にトレード拒否条項を行使してチームに残留し、
終盤は巻き返したものの優勝争いから見放されたドジャースにそのまま残ったことや、
毎年帰国するだしないのだで本人の意思が見えない点にそのような根拠は存在しているように思う。


今の段階で、黒田の条件は1年契約との情報が入っているが、本人が望めば2年、3年という期間を希望しても
受け入れる球団はあったと思われる。今季37歳という年齢で一年でも長くプレーしたいのであれば、
チャンスは出来るだけ長くなる方が良いに決まっている。
1年で1000万㌦よりも2年で1500万㌦の方がトータルでは稼げる可能性も充分あるということだ。


実際、黒田が去就について何を考えているのかさっぱりわらかない点もあるので真相は図りかねるが、
一つだけハッキリしているのは、優柔不断でもモノが言えそしてメジャーリーグからの
引き合いがあるということ。
つまり、評価にしても身柄にしても複数の選択肢が持てる強者ということになる。
これは何気に重要なことでもある。


日本から渡ってきたNPBプレーヤー達が、なんども契約を結びながらメジャーリーガーとしてのキャリアを
続けていった例は、実はとても少ない。大抵はNPB在籍中に交わした契約を満了した段階でキャリアが下降し、
次回契約では良い条件が得られないせいなのか、帰国していくケースが多い。
年齢的に不利な面もあるものの、日本人は3年が限界という説はこの辺りから来ていることが大きいといえる。


その点、黒田は32歳でメジャーに挑戦し、3年、1年、1年と3回の契約をまとめてきた。
条件的には当然、最初の契約内容が最も良いのは確かだが、
35歳以上で1000万㌦付近の高額を得られる投手はそうざらにはいないことを考えると、
実はとてつもない成功を既に収めている選手だということがわかる。
しかも、現地の報道ではヤンキース以上のオファーがあったという話も出ているので、
黒田のメジャーリーガーとしてのキャリアは(今季も含めて)、
この5年間常に第一線の立場にいたということになる。
これに匹敵する現役選手は、キャリア12年目のイチロー、10年面に突入するかどうかの松井秀喜、マイナー契約で入団した斎藤隆くらいしか見当たらない。


黒田がなぜヤンキースと契約したのか、その理由に興味は持ちつつも本音まで知りたいとは思わない。
金銭的な希望が薄いのは察している。兼ねてからの噂でもある広島カープへの復帰、
チャンピオンリングへの憧れなどあることないことだらけの妄想記事に需要は感じないが、
今オフのストーブリーグの主役の一人だったことは間違いない。
すなわち、数少ない選べる立場でいたということになり、そこに優柔不断さが垣間見えたということにも
繫がりかねないが、それ自体が彼のマイナスポイントには見えない。


可笑しな例え話になるが、近所でも旅先でも女性の買い物に付き合わされる経験をした男性の心境について。
自分の経験からすれば、何をそんなにそこまでという気分になることも多く、
要するに時間的な感覚が違うのだと勝手な理由をつけつつそれを本人の性格だと決め付けてしまう。
本人は至って真剣で、納得が行くまでショーウィンドウを眺め続ける。
その点、決断したものには不満を漏らすことが少なく衣類でも小物でも大切に扱う。


自分は直ぐに決断してしまう。買ってから不満を感じればまた買えば良いという感覚だ。
さすがに家とか車ではそんなこともないが、まぁでも車くらいなら即決という感じかな。
逆にあれこれ迷うときは良い結果に繫がらないことが多い。


黒田が契約に至るまでの時間は、外部の人間が感じる以上に長かったと思われる。
ひょっとしたらヤンキースがベストな選択ではなかったかもしれないが、とにかく彼は決断した。
これがまた、来オフもカープ復帰を臭わせる条件なために今季の成績がどんなものになったとしても、
秋に去就が騒がれることは既に決定している。


彼がメジャー挑戦する年にやや皮肉をたっぷり込めた
「黒田さん、3年後にカープ復帰というのは『天下り』と一緒ですよ 」
という記事を書いた事がある。
http://blogs.yahoo.co.jp/ava20060217/39649048.html

あれから、基本的には良い方向でキャリアを進めている。
10億円前後のオファーがあるのに3億だせるかどうかもわからないカープに復帰して
妙な男気を上げることは無かった。しかも、賑わっているのはマスコミ各誌とブロガー諸氏だけで、
具体的なカープ復帰(というか契約)の話は当然出て来ていない。
年齢的な余力や日本での注目度、それとカープ優勝のチャンスを考えると、今オフに帰国するのが
ベストな選択とも思える。10億と3億(仮定)では違うことは確かだが、志がそれを上回ることもあるだろう。
かといって、メジャーの野球にフィットしている姿は、他の選手とは一線を画しているのも事実。


「ドジャース黒田投手にメジャー・リーグの風を感じる」
http://blogs.yahoo.co.jp/ava20060217/49906335.html

最初の2年間でイニングの不安を残していた点を、その後の2年間で見事に克服させている。


男気を感じさせるといわれる選手が、カープ復帰を念頭に置いているといわれる選手が、
そして優柔不断と思わせる選手がメジャーのオフシーズンを盛り上げている。

他人が設定した筋道からはとことん外れている。

それでも結果を残し続け、過度の圧が掛かると言われているブロンクスの集団に飛び込んだ。


「日本人メジャーリーガー」として一挙一動を追いかける値打ちのある選手。
その姿は優柔不断な兵に見える。

Jesus MonteroとMichael Pinedaのトレード

去年、今年と静かなオフを過ごしていたヤンキースが、久々にブロックバスターな補強を展開した。

Jesus Monteroは生粋の強打者。守備位置が曖昧になっている点から
これまでにもCliff Leeとの商談など、トレードの噂を盛り上げてきたプロスペクトではあったが
今回シアトルのMichael Pinedaを含めた2対2の交換が成立。
これがまた実に、両チームのニーズと合致したトレードとなった。


ヤンキースのプロスペクトを見れば捕手に逸材が多いのは一目瞭然で、その中でもMonteroは
打撃に比重が高い選手だったため、場合によっては手に余る存在になっても不思議はなかった。
だからこそトレードの噂が絶えない理由だったのかもしれないが、本職の打撃があまりにも
ハイレベルなため、ブライアン・キャッシュマンGMが(放出に対し)なんども躊躇したのは
想像するに事欠かない。

自分もそれなりに注目していたが、メジャーに昇格した段階でその魅力は充分伝わった。

MonteroはMiguel Cabreraと肩を並べる存在になる。
贔屓目が全く無いのに、そこまでいわせてしまう。


http://www.youtube.com/watch?v=ExM3Gnl5U4o&feature=fvsr

これはMonteroのデビュー戦となったゲーム。相手はJon Lester
ヒットや本塁打ばかり見ていると過信しがちになってしまうので、
こうした凡打のシーンも織り交ぜたRecapの方が参考にし易い。

http://www.youtube.com/watch?v=XRCyxTFBZIs&feature=related

こちらはポストシーズンの初出場ゲーム。
前のビデオは右方向、こっちは引っ張った打撃。


言うなれば、左中間のだだっ広いヤンスタで30発叩き込める可能性がある、数少ない右打者になった
に違いない。そんな選手が同じく右打者地獄のセーフコ・フィールドでプレーすることになる。


見返りとして放出したPinedaは、こちらも怪物の一人。
既に昨年デビューし、ほぼフルシーズン働いたので詳細はスタッツ君にお任せしよう。


このトレード、Win-Winとなる可能性が非常に高い。
シアトルは再建中に付き(施工期間が随分長いようだけど)、最大の課題とも言える右の強打者を手に入れ
ヤンクスは即効性と将来性を兼ね備えた素材を手中に収めた。


ただしMontero、Pineda両選手にとっては個人成績を残す上では厳しい環境となった。
30発打てそうなのが25発、ERA2点台で行けそうなのが場合によっては4点台となるかもしれない。
また、両者とも順調に伸びて行く保障まではないので、数年後に明暗が分かれても全く不思議ではない。
そうした意味では両GMのクビを賭けた商談のようにも見える。


シアトルは自前の打者が全く出てこない環境となってしまった反面、投手のプロスペクトは着実に育っている。
その中でもJames Paxtonは大柄なレフティで、ピッチングフォームがAndy Pettitteに似た点が気になる存在。




ついでといっては何だが、Hak-Ju Leeという韓国人プロスペクトがタンパベイにいて、
これがまたえらい評判が良い。守備位置はショートなので、
アジア人の内野手適正を見るには格好の素材となるやもしれない。

そのレイズにはもう一人、Chris Archerがメジャーに定着するかどうか。
今オフもFernando Rodneyという、何時でもバトンタッチ可の補強を行なっているので
ここにも注目。

プロスペクト全体としては、カーズのSherby Millerが一番楽しみ。


あと、ジオゴンとのトレードでA'sに移ったBrad Peacockも期待している。
http://www.youtube.com/watch?v=3HkDUD_cwj4&feature=fvsr

素材的にはどうってことないが、センスの良さを感じる投手。
同じオークランドだし、Tim Hudsonのようになってくれると嬉しいんだが、さて。


池上彰の番組

正月から池上彰の番組が目立っている。

今、旬の人だから当然なのかもしれないが、現代史講義は面白かったな。
特に、カストロ議長と毛沢東の回は真面目に見つつ楽しめる内容だった。

元々、世界史には興味があったけど専門的な知識はないので、
こうした番組がバラエティと併用して流れる時代になったというのは、
単なるアクセントに過ぎない部分もあると思うけれど、やっぱりテレビは見るのが楽だし
伝える人によって様々な表現があるのだから、興味のある分野については感心が高まる。

ジハードなんて、思いっきり戦争だと思っていたからね。


その、池上氏の番組が今日はフジ局で流れていたので、数ヶ月振りにチャンネルを8に合わせた。

内容は、正月にテレ東でやっていたものとかなり類似していて、取材も同時期だったんじゃないかと
思えるくらい、訪問国(サウジアラビア、イタリア)も訪問地、取材内容も似ていた。

フジ局といえば、芸能人多数出演、大きな笑い声、笑い屋アルバイト(音声?)が無く、
感覚麻痺に陥るほどの字幕がある程度の何とも静かな雰囲気(それでも局らしい演出はあったが)。

制作慣れしていないせいか、コメンテイターの質問がとにかくぎこちない。
「わかりやすい」っていうのがキーワードの人だから、どうしても似たような作りになって行き
結果わかり易さだけが残ったという印象なのは、ちょっとね。


イスラム教やユダヤ教の戒律が厳しいという部分はメインで伝えられていたが、
これを観た人がどう解釈して意識するかが問題。
日本に住み、無宗教の感覚で生活していると規則だとかルールに置き換えがちになってしまい、
それを守らないと罰則を連想してしまう。

そもそも、ユダヤ系こそが今の世界経済をリードしている存在だといわれている訳だし、
サウジもテレ東で紹介されていた石油工業都市団地だっけ、初めて耳にしたけど
そこでは西洋化されていて女性が男性と同じように働き、服装も然りだった。

一方では、安息日にキッチリと労働を停止し(電燈をつけることも労働に入るとのこと)、
断食中だったためにサッカーで負けるということも起きている。

この戒律と法律が共存している点は、国の経済活動は全ての国民が均一して費やしている訳ではない
ということが理解出来る。カトリックが大半を占めるイタリアなどの国や、法律で日曜日に商店を開ける
ことが禁じられているスイスのような国では、宗教活動に関る時間が日本よりも遥かに長いことは
知っていたが、それ以上だ。日本では、一般的な労働者が宗教活動をする時間は極限られていて、
熱心な参拝者を除けば初詣に行くか、会社の中にある神棚に手を合わせるくらい。
経済活動の上ではそれだけ(時間的に)有利なはずなのに、不況が長く続いている。



サウジアラビア人の家庭に訪問し、結婚感を質問するシーンはテレ東と全く同じ。
同じディレクターか?と思ってしまったが、日本だって昔は見合いばっかりだったぞ。
あの場面では「昔は日本も(慣習的に)そうだったのですが、今は恋愛結婚でないとなんたら」
というコミュニケーションの方が相応しかったんじゃないのかね?

その池上氏に同行したアシスタントも、どうも不安定。
空返事を続けたあとに「なるほど~」を連発。

あと、「イギリスの三枚舌」で片付けるのはちょっと乱暴じゃないのかな?
詳しくは知らないのだが、後で調べたくなるような表現だった。

テーマがバチカンに移ったところでテレビを消す。
その前に、池上氏が「(パレスチナ問題は)宗教上の対立が根本的な問題のようにいわれていますが、
実際は土地争いの意味が強い」とまとめていたが、番組の宣伝文句が「宗教がわかればニュースのナゾが解ける」
なのだから、その点もチグハグな印象が残った。


以上、ルーズな形で雑感を述べたが、似通った部分がある意味で比較すると
テレ東の方が数段優れた番組だったと思う。フジもフジで気を使った部分は感じたが
制作陣の本気度合いが遅れを取ったのと、やっぱりバラエティ色が強い。
あと、正月でもないのに3時間近くの番組は視聴的にちょっと厳しい。
普段、民放を見ない理由の大部分がここにあるのだけれど、スポンサーとの関係だと思うが
1時間を超えるバラエティそのものが視聴者離れを引き起こしている一因なのではないかな。


これで野球中継が長いから嫌われているというのも、なんだか筋が通らない。

日本人メジャーの契約3

現在契約中、そして今季からメジャーに挑戦する選手達の契約内容もチェックしてみよう。


イチロー 2001~(MLS11.000)
メジャーのFA資格取得済。
2004年に4年契約を成立させているが、この時に保有権があったかどうかは定かではない。


松坂  2007~(MLS5.000)
6年契約で、マイナー降格することが認められない超強力な条件。辣腕代理人、スコット・ボラスの真骨頂。
今季チームに残留するだけで自己FAが成立。


上原  2009~(MLS3.000)
2009~2010年の2年契約後にFAとなる特約事項あり。
■Article XX(B) free agent after 2010
2011年に1年+ベスティングオプションの契約。契約終了後FAの特約事項あり。
■may elect to become XX(B) free agent when contract ends
一連の日本人契約のベースに伴い、契約後FAが前提の内容を維持している。


西岡  2011(MLS1.000)
詳細が不足している気がしないでもないが、2014年にオプションが設定されており、これが破棄されるとFAになる。ただし、通常はオプションを行使すると翌年の去就については選手本人のサービスタイムに準拠する形となるので、特約が盛り込まれていないとMLS最大4.000の段階で所属球団が保有権を持つこととなる。これまでの経緯からFAになる契約だとは思うが。

高橋尚  2010~(MLS2.000)
2010年はマイナー契約でスタートしたが、メジャー昇格により$1Mのサラリーが確定し
翌年の特記事項(契約更新またはFA)も成立。
■must be signed to extension by 10/31/10 or released (deadline extended to Nov. 5)
2011年からの2年契約後は未確認だが、前例から云ってFA条件もつけているだろう。

井川  (MLS0.104)
今オフで5年契約が満了したが、特約事項の記述は無し。
所属球団が保有権を持っている可能性がある。

田沢   2009~(MLS1.063)
今オフで3年契約が終了。特約情報の記述無し。
現在は40人枠に入っているが、そこから落ちたときにある程度は判明するものと思われる。

建山  (MLS0.129)
2012年のオプションが確定。破棄されていればFAとなっていた。
翌年は未確認。

和田   2012~
特約条項についての記述は無いが、2014年にオプションが破棄されるとFAとなる。
行使された場合の翌年については未確認。

川崎
メジャー挑戦ではなくイチロー挑戦なので割愛(個人的には動向への興味あり)。



じゃ、ここから総論に入ってみよう。

“契約終了後FA”というのは、比較的強気な立場で交渉に臨めた場合になって初めて
相手が了承するものではないかと推察。つまり、NPBプレーヤーだからといって
6年も働かない内にFAという約束をしてしまうのは、他の選手達にとって見ればあまり良い前例とはいえない。
だからといって、NPBでのキャリアが全く考慮されないのでは市場を開放している意味が成り立たないため、
そこはオプション破棄などを上手く利用してフリーにしている球団が多いのではないかと思えた。

これがNPBだと、外国人は自由と拘束の在り方が日本人選手とは違うため、特例が特例でない現象が続いている。仮にNPBが外国人枠を撤廃したら、同時に保有権利も発生しなければ球団運営は成り立たなくなってしまうだろう。一つの組織に二つのスタンダードがあるといっても良い世界だ。

MLBの場合、スタンダードは飽くまで一つしかない。特例を認めるのは良いこととは思わないが、市場の原理に沿って行動するのがスムーズであるともいえる。

プロ野球の世界で、MLBに最も接近している市場がNPBというのは間違いない。
それが故に、選手流出という危機を持つのも宿命とはいえるかもしれないが、
しばらくの間、選手達は大いに悩むかもしれない。

反対に、今回の件でヤンキース(キャッシュマン)の提示した条件は胸がすくほど筋の通ったものだった。
独占交渉権を得たのだから遠慮する必要は何処にも無い。固定されたレギュラーがいて、ユーティリティの選手を探していたことも虚偽には相当しない。ヤンキースにとっての落札費用の250万㌦は、運営規模でいえばパイレーツの40万㌦に相当するものと思い、その金額だったら今度は西武球団が受託しなかったかもしれないし、いずれにしても制度の欠陥というよりも選手本人の低評価が厳しい局面を生んだとさえいえる。さらに、ヤンキースは中島との交渉が決裂しても、代わりを探す時間は充分残されている。昨年の岩隈の件で明るみに出た制度の膿が一気に曝け出したような手際だった。

それでも、この条件がポスティングという特殊な状況だったが故に、NPBプレーヤーとしての評価自体は辛うじて守られた気もしないではないが、通訳をつけなければチームに帯同することが困難という選手はそろそろ終わりにして欲しいという、少々耳の痛い話で記事を〆たいと思う。


日本人メジャーの契約内容2

2005年以降の選手に付いては羅列にて
先ずは退団後、日本でプレーしている選手から。

井口資仁   2004年オフと2007年オフに2度契約
井口は最初の契約で、期間満了後に再提示もしくはFAの約束していた。
■contract includes clause requiring club to sign Iguchi to an extension by sometime in 2007, or release him(effectively granting Iguchi free agency after three years of ML service)
その後、2007年オフに約束通りFAとなり、パドレスと1年契約。
2008年オフに日本へ戻るため、所属球団(フィリーズ)にリリースを求めるとの報道があった。
11月下旬に解雇された経緯から考えると、保有権が保持されていた可能性がある。

城島健司   2005年オフと2008年に2度契約
最初の契約はFAになれるかどうか不明。
メジャー3年目となる2008年のシーズン序盤に、球団が3年間の契約延長を発表。
これを自らoptsoutし、マリナーズを退団。日本に帰国することのみが許された特約だった。

岩村明憲   2006年オフに契約
オプションが行使された2010年9月6日にパイレーツからDFAとなり同9月13日にリリース。
拒否権が無い限りは解雇されることもないと思うので、特約事項の可能性はあったと思われる。
その後アスレティクスと契約を結ぶも、10月4日に再度リリース。

薮田 
2009年オフにオプションが破棄されFA。

小林雅英
2009年オプションが破棄されFA。


城島、岩村は特記事項。薮田、小林雅はオプション破棄により。
井口はリリースされた形となっているが、ノンテンダーの時期を早めてもらったのか、
それとも日本に戻る前提で解雇をリクエストしたのか、定かではないが特約じゃない可能性が強いと思う。


以上、前記事も含めてこれまでにMLBでプレーし、既に退団している選手の大多数を調べてみた。
ここから本題に入るが、多くのファンが勘違いしていた「契約終了後FA」について触れてみよう。

自分の知る限り、MLBでフリーエージェントになるには6つの方法がある。

・ 6年間のサービスタイムを得た選手が自らの権利を行使する(自己FAと命名)
・ 40人ロースターにいながら契約提示を受けなかった場合(ノンテンダー)
・ オプション契約が破棄された場合のFA
・ リリース(解雇)
・ opts outによる自己FA(契約内容に準拠)
・予め契約内容に盛り込まれた条件(契約終了後FA)

これらは所定の手続きを済ませれば全てFAの身分となる。
自己FAは、毎年ポストシーズン終了2~3日後に手続きが開始されるので、10月下旬から11月初旬の間に
FAとなっていればそれに該当し、オプションは同じく約1週間後に行使の期限が設定されているので、
似たような時期ではあるが、その辺は関連サイトを見て調べると良い。

★契約、解雇などの時期を調べるにはBaseball Referenceの選手ページAll Tranzaction
★契約内容やオプションの有無を調べるにはCots Baseball Contract(引退選手は情報が消滅するので注意)

こうした方法でこれまでのNPB復帰選手を分類してみた。曖昧な部分もあるので、確証の持てない部分には?マークをつけてある。


<自己FAで復帰> 松井稼、田口?、大家
<ノンテンダーFA> 石井、井口?
<オプション破棄> 薮田、小林雅、
<リリース> 吉井、伊良部、福盛、薮
<opts out> 佐々木、城島
<契約終了後FA> 岩村

他にも選手は存在していたが割愛している部分もあるので注意。

田口壮に?をつけているのは、サービスタイムが6.000に届くか届かないかの時点でリリースされているのと、マイナー在籍中にリリースされた痕跡があるから。実質上は自己FAでも構わないだろう。
こうして見ると、実に様々な方法で身柄をフリーにしているが、大多数は新しい契約が期待出来ないことで
帰国を決意したものだと考えられる。全ての日本人選手を対象にしても、自己FAにまで辿り着いたのは、

野茂、長谷川、イチロー、松井秀、松井稼、田口?、大家、斉藤隆と8人しかいない。現在契約中の選手はさて置き、個人的に凱旋帰国したといえる選手はMLBプレーヤーのまま引退した野茂と長谷川を除いた3人しかいないということになる。どこからともなく聞こえてきた諸説によると、日本人は3年しかもたないといわれているのだが、現在FAの身分で去就が決まっていない選手や契約中の選手も含めると、その数はさらに増えていくだろう。

その、今季で契約が切れ去就が未定の選手。

福留  2008~2011(MLS4.000)
2011年11月15日までに契約更新またはFAの選択を行なう。
事実上のオプションであり、金額かそれとも移籍の自由が認められる。
■club must sign Fukudome to an extension by 11/15/2011 or release him, allowing him to become a free agent

黒田  2008~(MLS4.000)
2008年からの3年契約と2011年の1年契約、両方で契約満了後FAとなる特約条項あり。
■Kuroda may become a free agent after contract expires
これを契約の度に取り交わさないと、帰国凱旋することもままならない。

川上  2009~2011(MLS1.161)
3年契約終了後にFAとなる可能性がある特約事項。ただし、所属球団が
10月15日もしくはワールドシリーズ終了後翌々日までに契約更新を提示し
これを合意すれば残留という条件。
■Kawakami may become a free agent if he and the club do agree to new contract
by 10/15/11 or one day after final game of 2011 World Series

川上は肩を故障してしまったそうで、今季はどことも契約しない可能性があるらしい。福留は全くといって良い程情報がないので、一瞬保有権有りのままかと思ったらしっかりとFAしていた。古巣の中日などは興味が無いのか、それとも新しい契約が期待出来るのか、結論が出るのはそう遠くないか。
黒田はなんだかじれったい気がするけれども、メジャー残留なら2年契約は堅いと思われるので、
そうなれば晴れて自己FAとなって凱旋帰国する方法もある。

以上の3名は、いずれも契約終了後FAの特約が盛り込まれており、金額も含めてかなりの厚遇だった。
結果はともあれ、現在NPBに在籍中でメジャー挑戦を夢見ている選手にとっては歓喜するような条件で入団した。

最後に、今季FAの状態で去就の決まった選手。


岡島   2007~(MLS4.055)
2009年のオプション行使によって、レッドソックスによる2010年の保有権が確定。
特約条項が無かったため、2010年は調停権付交渉の末残留。
その年のオフに契約提示無し(ノンテンダー)によってFAとなる。
2011年はMLS4.000も契約満了後FAの取り交わし。
■Okajima may become a free agent after 2011 season
2011年5月20日にDFAされるが、拒否権を持つためのサービスタイムが不足していたため
FAにはなれず。

斉藤隆  (MLS6.000)
今オフにFA権利取得。
2006~2008年までは所属球団(ドジャース)の保有権あり。
2008年オフにノンテンダーFA。
2009年は1年+オプション契約。行使しない場合はリリース。
■if club does not exercise 2010 option, player will be released
2010年は1年契約。10月18日にリリースされる(特約事項の形跡が濃い)。
■released by Atlanta 10/18/10


五十嵐  (MLS1.088)
2年契約終了後にFAとなる特約事項あり。
■Article XX(B) free agent after 2011 season
2012年はマイナー契約だが、満了後(翌年)は未確認。

この3名はそれぞれ事情が異なる。
岡島については、2009年オフの経緯が有名に話しとして残っていて、日本では代理人の失態だといわれているのだが、最終確認をするのは本人だろうがといいたくなってしまう。良いエージェントと契約するのも自己責任の範疇でしかない。

斉藤隆のメジャー挑戦はマイナー契約だったが、実際はスプリングトレーニングの前からメジャー枠に入ることが半分約束されていたという話を聞いたことがある。その時のロースター事情で、どうしても枠に空きが無かったそうで、ある程度の舞台は整っていたようだ。とはいえ、契約内容はメジャーの新人そのもので、野茂や長谷川と同じようにメジャーで3年間プレーしなければ年俸調停の権利を得ることが出来なかった(その代わり、金額についてはイロを付けて貰ったようだ)。そして3年が経った後にドジャースがノンテンダーの処置を行なったが、これについては今でも不思議。以降は毎年契約後FAの条件をつけてチームを転々とし、今オフに晴れて自己FAの権利を得た。

五十嵐は一旦FAとなったのでNPB復帰が予想されていたが、パイレーツとのマイナー契約を選択。岡島もそうだが、今オフに至ってはNPBからのオファーが相当しょっぱいのではないかと想像してしまう。薮田と小林雅がそれぞれ、5000、6000万の契約で帰国していたが、それ以下の提示だったのか?それともさらに高額の条件を希望していたのか?是非とも真相を知りたい。






※、情報ソースはCots Baseball Contracts/Baseball Reference
※、日本での金額は推定

日本人メジャーの契約の歴史を綴る

MLBが日本人選手(NPBプレーヤー)と契約するための特別規定は存在しない。
しかし、異国のプロ野球リーグで活躍した選手に対するリスペクトは個々の契約で
盛り込まれているものが多い。その代表的な例が”契約満了時にFA”というもの。

ただ、これには色々な解釈があって、誰でも、どの球団でも約束されたものはない。
選手は高く売りたい、球団は安く雇いたいの原理と同様に、いくつかの駆け引きが
存在していたのは確かだ。


野球ファンなら誰でも知っている、野茂英雄がアメリカに渡ったときは年俸950万円の
マイナー契約だったというのは有名な話だが、実際は契約金として200万㌦の報酬が
入っていた。その年に一大ブームを巻き起こした野茂は、2~3年目まではドジャースの保有権内にあって
年俸調停権の無いまま契約を行い、2年目は60万㌦、3年目は90万㌦と、
同じ身分の選手の中では厚遇だったが、FAではなかったためNPB時代(1994年に1億4600万)よりも低い年俸で
メジャー最初の3年間を過ごした。

その後、調停権利を得て年俸もメジャーリーガーらしい金額にアップした野茂は、
FA権利を持つ2002年までは茨の道を歩んでいった。
最も苦しかったのはメッツを解雇された1999年だったが、その年の内にブリュワーズで復活。
1999年から2001年までに4つの球団を渡り歩いているが、それらはオプション破棄や戦力外といった理由で
2002年のドジャース移籍で初めてFA権利を手にした。

FA資格を得る前の野茂に対し、MLB球団が示した最大のリスペクトは何といっても200万㌦もの契約金ではあるが、これを年俸にセットしなかったのが一つのポイントだ。200万㌦を年俸に盛り込んでしまうと、
翌年以降の金額が大変なことになってしまうし、
当時の球団にとってはそこまでの義理もなかったのだろう。同じように、MIL、DETと渡り歩いた経緯も
詳細が得られてはいないが、オプションという抜け道と何らかの特約が盛り込まれてFAになった見込みが強い。


そして、野茂の実績を追い風として海を渡った長谷川滋利もNPB時代の1億3000万に対して、年俸57万㌦で契約。
金額的にはメジャーの新人に少し色がついただけのものだったが、
FAとなるまでの間メジャーのロースターに帯同し2002年オフにFA権利を得た
(実際には2001年にノンテンダーとなりマリナーズと契約)。


メジャーの球団と初めて契約を交わした時にFAとなる特約を盛り込んだ最初の選手は吉井理人かもしれない。
これは、代理人である団野村のコメントに沿ったものだが、最初は2年契約で話を進めていたが
1年で良いからその代わり契約後はFAにしれくれと交渉した模様。
出来高を含めなければ5000万に満たないものだったらしい。


NPBプレーヤーの価値が高騰したのは伊良部秀輝と佐々木主浩の影響が強い。
伊良部は例の騒動でパドレスを経由してヤンキースに移り、一年目からNPB時代(1億3000万)を上回る
金額(232万㌦)が提示されていた。その後の動向は資料不足で解からない点も多いが、
ニーズが尽きかけた2002年には年俸55万㌦にまで下がり、その後日本へ戻った。
佐々木は日本球界最高(当時)の5億円もの年俸を得た上でFA宣言し、自由な交渉の場を
得ていたのでマリナーズと3年1200万㌦の契約を結ぶことに成功。
しかし、メジャーでのFA権利を得る前に帰国。
最後は契約をしながらも本人の都合で帰国を申し出、
保有権利を持った選手をリリースするかどうかでMLB選手会の見解を求める事態にまで発展。
特例として、解雇が許される形となったようだ。


この段階でイチローがメジャーに行く舞台が整ったといっても過言は無いだろう。
野茂が風穴を開け、伊良部と佐々木が金額のベースを作った。
加えて、任天堂が保有しているマリナーズという球団が落札したことも上手く作用し、
NPB時代とそれほど変わらない金額で入団出来たのは幸いだった。

そのイチローが目覚しい活躍をして、NPBプレーヤーの株はさらに上昇した。

Shinjoは詳細が掴めないまま。



2002年に、年俸1億4600万の石井一久がポスティングでドジャースと3年契約を交わしたときは
300万㌦近くまでアップする好条件だった。年俸調停権を得た4年目はさらに357万㌦へとアップしたが、
メッツ移籍と同時に低迷。翌年に日本球界へ復帰したが、2005年オフにリリースされた日付が
12/9となっていることから、オプションの破棄や契約後FAの条件が入っていたとは考え難い。
通常この時期はウィンターミーティングを行っているので、ノンテンダーの可能性が強いが
本人にその気があったらメジャー球団との再契約も不可能ではなかったかもしれない。


一方、田口壮は3年契約を交わしながらマイナーに滞在することを余儀なくされ、
メジャーの舞台で羽ばたくようになったのは2004年から。
そのオフに確か、ノンテンダーされたように記憶しているがこれは適正金額に戻すための
処置だったと受け取った方が良いかも。
その後も契約とリリースを繰り返して、2009年のオフにFA資格に届いたかどうかのラインで
9年振りに日本球界へ復帰。
取り敢えず、今の時点では日本人メジャー最高のアンサング・ヒーローといったところか。


松井秀喜はNPBでFA資格を取り、ヤンキースに入団。
2005年までの3年契約が終了後に、契約更新またはリリースの特約事項があると記されている。
■deal requires Yankees to sign Matsui to extension by Nov. 11, 2005, or release him
情報ソース/Cots Baseball Contract
この時点では、金額と特約を盛り込んだ非常に強い契約だったといえる。後に、NPB時代の
報酬を遥かに超える条件が提示されるようになったが、少なくとも日本時代の実績を考慮してもらい、
MLBで育ったFA選手と同等に扱われるようになった最初の一人目か二人目じゃないだろうか
(佐々木、伊良部にその可能性はあるが在籍期間が短いので調べようが無い)。
現在は、2010年にFA資格を取得し身分は自由。

その松井秀喜を超える強力なディールを得たのが翌年の松井稼頭央。
NPB時代の年俸が倍以上になり、メジャー球団と3回の契約を行なっているが
いずれも10月下旬にFA扱いとなっているため、特記事項が含まれていた可能性が高い。
もっとも、楽天と契約した2010年のオフにはメジャーのFA資格にも到達していたので、
お役御免ということで良いだろう。


ここまでの要点をまとめると、


年俸調停権なしを受託・・・・・・野茂、長谷川、

上に同じだが出来高付きでNPBと同程度・・・・吉井、Shinjo

NPB年俸と同程度の契約・・・・・佐々木、イチロー、松井秀、石井、田口

NPB年俸を上回る契約・・・・・・伊良部、松井稼

年俸調停権受託・・・・佐々木、石井、長谷川

契約終了後FAの取り決め・・・吉井、松井秀、松井稼

マイナー経験なし・・・・イチロー

NPBへの復帰なし・・・・野茂、長谷川、イチロー、松井秀

言うまでも無く、最もハングリーだったのは野茂に違いないが、長谷川の条件も中々にして厳しかった。
田口はマイナーでの経験が無ければその先はどうなっていたかわからない。
旬を残して日本に戻ったのは佐々木と見られるが、帰国してから急激に衰えた。
その後、佐々木のような足跡を辿る選手が続出するようになった。

日本人メジャーリーガー

中島裕之の交渉が決裂した。

詳細については、正確な情報が得られないままなので今の時点で断言することは難しいが、
要点をまとめてみると

・年俸が低い
・1年契約の終了後もFAは認められず
・通訳がつかない

ということ。逆に言えば、それだけ日本人(NPB)プレーヤーに対しては厚遇だったという
ことになるのだが、そこまでプレー環境を整えてあげなければ額面通りの働きが期待出来ないという
ことの裏返しでもある。

これを甘いと取るか取らないかは自由だが、日本人が活躍しようがしまいが何時かは消滅すべき
約束事がこうして破棄されていくのは止むを得ない成り行きだろう。

中島の落札先については我ながらお花畑な予想を立ててしまったが、現実は相当厳しかったといえる。
ただ、今でも変わらないのはプレー環境させ整えてあげれば(の話だが)、そこそこはやる選手だと
思っている。守備範囲は狭いがグラブ捌きは上手だし、右方向への強い打球を放つ打撃もNPBプレーヤー
の中では一つ上のレベルに達している選手だと思う。こういう書き方は何だが、中島よりも下手なショートは
いるし、打撃力を欲するチームにとっては中々の価値を見出せることは確かだ。下手な話、先日メッツとの
契約が成立したロニー・セデーニョ以上の働きが出来る可能性は充分にある。

ただ、その”中々”という次元の選手に専属通訳を付けてまで雇う価値があるのか、どんぐりの背比べ的な
選手のために契約内容に特約を盛り込む必要があるのか、MLBの球団が疑問を持ち始めていたことが明確に
現れだした象徴ともいえる出来事が今回の決裂だったことは間違いない。

ついでに言わせて貰えば、そもそもジャパンマネーなんて存在しないし(イチローマネー、松井マネーならわかるが)、専属の番記者というのも実に痛々しい風習になっていた。可笑しなことだが、日本人として生まれた野球エリートは、その実力以上に地位と名声を得られる環境に浸かっていた期間が随分と続いていた。
箇条書きにしてみると、日本人メジャー選手になるとこんなにメリットがついて来る。

・NPBで早期活躍すれば25歳までにMLB選手以上の報酬を日本で得られる
・メジャー挑戦というタグによって知名度が一気に高まる
・メジャーで成功すればMLBの福利厚生に肖ることが出来る
・アメリカのグリーンカードを取れるチャンスが広がる
・失敗しても日本に帰れば温かく迎えてくれる

以上、メジャー挑戦の特典を全て手にした選手も中にはいるだろう。
そんな人物が身近にいれば、(実力があれば)誰だって甘い汁を吸いたくなるのが人情だろう。
当人達にそんなつもりはないかもしれないが、現実を見れば明らかに甘汁は存在している。
反面、NPBでの年俸上昇が選手本人の将来設計を見立てていないことが隠された問題でもあるが、
これについてはNPBの球団首脳が上手いこと流出に色を付けて送り出しているせいか、
前ブログで何度も指摘しているにも関らずあまり取沙汰されていない(当たり前か)。

とにかく、この中島の一件でポスティングを表明してメジャーに行きたいという選手が激減するのは
かなり強い線となった。制度云々がどうのこうのという意見もあるが、その内風化していくだろうから
放って置けば良い。しかし、これで日本球界の危機が回避されたかというとそうは簡単には運ばないだろう。


・適正な年俸基準(球団が出すか、選手が我慢するか)
・NPBスルー選手の処遇と世論
・メジャー挑戦によって起こった野球人気の低迷

が当面の課題となるだろう。年俸基準というものはあって無いものだが、これまで描いてきた上昇カーブを
修正しなければならない事態も起こり得る。NPBの球団がほぼ赤字というのは信じ難いが、問題は親会社の景気だ。

MLBは名うての投資軍団が虎視眈々と球団買収を狙っていて、先日ドジャースの買取先に30近くの候補が
挙げられているというニュースがあった通り、仕組み自体が儲かる方向に進んでいる。
一方、NPBは一つの球団売却でさえ引き取り手が中々出てこないという醜態を曝け出しており、
内情は複雑なものがあるのであまり触れないことにするが、
そもそも儲かることを否定しているビジネスでもある。
それが日本全体の景気に飲み込まれ、今以上に厳しい直面にぶつかることで
選手年俸の下落にも影響し、
その内、三冠王を獲得しても8000千万という世界が訪れるかもしれない。

NPBスルー選手については例の田沢問題が有名になったが、NPBの経営がジリ貧になれば
魅力が減るわけだから、敢えて無視する若者が出て来ても不思議ではない。
もちろん、恩師ビジネスも然りではあるが。

困ったのは、メジャー挑戦人気がどの位の物差しであるかということ。
野球に関らず、今のスポーツ人気はほぼ国際大会への興味に繫がっているというのは否定出来ない。
世界という言葉が好きなのか、それとも世界を負かすのが好きなのかは知らないが、今の野球界に
国際大会が無くなってしまうと大変なことになってしまうのはそれほど的外れな意見じゃない。
イチロー、松井人気におんぶ抱っこされている現状を目の当たりにするのもそう遠くない現実だ。


話は戻って、来年からメジャーに挑戦したい選手はどうすれば良いか?と考えてみると、

・石川凌君に弟子入り(英語をマスター)
・FAを待つ
・アメリカの野球を理解する(個人レベルでは難しい)
・日本メディアの記者撤収

これは短期的な展望。まぁ、一夜漬けで英語をマスターという訳には行かないから
行きたい選手は結構限られてくる。アメリカの野球を理解するといっても、実際に行かなければ
解からない部分も多いのだから、飽くまで意識の問題。その分、日本での衝突は避けられないかも。
FA期間が長いといっても、メジャーの新人達はマイナーで修行して大体23~25歳で昇格して、
それ以降スムーズに行ったとしてもMLBのFAが30歳前後になってしまうのは前に書いた記事を参照して欲しい。
つまり、ポスティングそのものが特例中の特例だったことが今になってわかる。
最後のメディア撤収は一番効果あると思うけどね。

中長期的に考えれば、もう学生野球の改革しかないだろう。
これだけの競技人口があって、投手は一握りの才能を除いて25歳くらいまでにポンコツとなって
しまう事態は百害あって一理くらいしかないだろう。
この点については、またいずれか。

しかし、WBCで2年連続世界一になってもこの低評価。一昔前では考えられなかったことです。
2013年に行なわれる(よね)第3回大会の結果如何で市場が戻ってくる見込みは残されてはいますが、
別の意味で盛り上がりに火をつけてしまったことは間違いないでしょう。
プロフィール

haus

Author:haus
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