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Andruw Jonesよりも活躍しそうな助っ人候補

先週末、大勢の野球ファンが驚いたアンドルー・ジョーンズ獲得のニュース。
メジャーでの実績もさることながら、ここ日本での知名度も抜群との印象を受けた。

かつては、NPBとMLBのビジネス格差はそれほどでもなく、
1960年代から70年代まではピークを過ぎた大物選手の来日が相次いだこともあった。
その後、1980年代から90年代中盤まではバブル経済の影響もあって、
選手に支払う対価もMLBを上回る規模にまで上昇。
ところが、MLBがバド・セリグをコミッショナーに任命した頃から、
収益改善を果した効果もあり経済規模が拡大。円高の優位性をもってしても、
著名なメジャーリーガーを引き抜くことは至難の業となってしまった。


アンドルーの来日は、そんな日本球界にとって久々の大物。
しかし、日本からもトップレベルの選手たちが続々と渡米するように、
一流の選手が多く集まるメジャーリーグの選手層は、極めて狭き門である。
入団時は有望株とみられても、幾多の階層からなるマイナー組織ないしはメジャーデビュー後の成績次第では、
育成ステップを踏み外してしまうこともあり、その後二度とチャンスは来ないということも現実にはある。
そうした「ツキの無い」野球人生を送っている選手の中にも、隠れた実力者は大勢いる。

巨人が今オフに獲得したマニー・アコスタもそんな一人で、それでもアコスタは6年間メジャーに留まり続けた。
昨年ようやく登録日数が3年を超えて年俸調停の権利を得たところだったが、
先月30日に40menロースター整理の都合上、チームからDFAされたところを巨人が拾い上げた格好となった。
年齢が31歳で、今季年俸が87.5万ドルだった中継ぎ投手がこの時期に戦力外となった場合、
新たに獲得するメジャー球団が前年を上回るオファーを出すことはまず有り得ない。
今季の成績を見ても、セーブこそ1つ挙げているが防御率6.46、WHIP1.54と散々な結果である。
解体モードのメッツだったからこそ、一年間メジャーに居座り続けたという見方も出来るが、
そんなアコスタに巨人は165万ドル+出来高50万ドルもの対価を用意したそう。

• Right-hander Manny Acosta has signed a one-year, $1.65MM contract with the Yomiuri Giants, according to Gene Mato, Acosta's agent (Twitter link). The deal could be worth another $500K in bonuses. Acosta, 31, was non-tendered by the Mets following a season that saw him post a 6.46 ERA over relief appearances.

これは余程、巨人のスカウティングの目が肥えているか、
或いは(ツィッターを発信した本人である)代理人がプッシュして
NPB他球団とのマネーゲームになったのか、そのうちのどれかだと思う。
因みに、昨年獲得したマシソンは移籍の段階で40menに入っていた選手で、
巨人獲得のニュースの後DFAされて入団。今回のアコスタはノンテンダーFA。
端から見れば、マシソン獲得にはトレードマネーを用意する必要があり、
アコスタにはそれが要らないことになるが、今回は破格の条件ということで、
いちいち面倒くさい手続きも不要だったのか、興味を覚える。


とにかく、条件的にはアンドルーを上回る熱の入れようということだ。しかし、どこも騒がんな。


「セイバー・メトリクス・マガジン1」でも少し触れたように、
助っ人を獲得することはギャンブルに近いものもあるが、
当たればとてつもない価値をチームに与えるということで、決して軽んじてはいけない。
最近これを理解してきたのがソフトバンクで、ペイロールに対する考え方に変化が起きている。
以前は、(金額的に目立つものだから)外れ外国人を引くことに畏怖していた球団が大多数を占めていた。
それは理解できなくもないが、SBや巨人のような資金力のある球団としては、どこかで決定的な差をつけたい。
アルフォンソ・ソリアーノの債権を引き継ぐというアイデアは流石にアホだったが、
他球団が用意出来ない年俸2億円クラスの外国人を5~6人でも引っ張ってくれば、
物凄いデプスが出来上がることになる。


ただ、口では簡単に2億といっても、メジャーでそれに値する選手というのは40menに入るレベルということで、
そうした選手をMLB球団が簡単に手放すはずもなく、
また頻繁に行われるトレードやルール5ドラフトなどで、リーグとして戦力を囲い込むシステムが確立し、
それに応じて選手への適正年俸が全球団を通じて一本化されているため、容易に手出しすることは不可能である。

そうしたこともあり、日本に来る助っ人に支払われる対価は往々にして課題評価の傾向となり、
見込みが外れるとファンやマスコミから集中砲火のごとく批判を浴びる。
だからといって、失敗しても火傷をしない程度の資金でMLBのオコボレを頂戴するというのは、虫の良い話だ。

だからこそ、ラヘアを獲得したSBや巨人、楽天の姿勢が重要であり、
ストーヴリーグに入って早速コンラッド獲得を決めた阪神は、
悪戯にペイロールを圧縮しているようにしか見えない。


今後も一部球団は助っ人獲得に併走するものと思われるが、上記3球団が扉を開いた以上、
投入資金やスカウティングによっては、今まで以上に良い選手を獲れる環境になるチャンスがある。
具体的には、40menにいながらチャンスの少ない選手、今オフに40menから外れた選手、
そしてMLB球団からも引き合いの可能性がある選手ということになる。


そうした選手を何人か紹介するとすれば、まずはBrandon Snyder。

今すぐにでもメジャーで20HRは打てる実力を持ち、NPBに来ればアンドルー以上に好成績を上げ
No.1助っ人になれる可能性もある。

【BR】http://www.baseball-reference.com/minors/player.cgi?id=snyder002bra
【Video】http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=21470711&c_id=mlb


セカンドの打撃レベルが重罪に近いレベルにもなっているNPBでは、こんな選手達も良い。

Donnie Murphy

【BR】http://www.baseball-reference.com/minors/player.cgi?id=murphy003don
【Video】http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=20723667&c_id=mlb

Drew Sutton

【BR】http://www.baseball-reference.com/minors/player.cgi?id=sutton001ste
【Video】
http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=22812473&c_id=mlb&topic_id=vtp_budweiser

Brent Lillibridge

【BR】http://www.baseball-reference.com/minors/player.cgi?id=lillib001bre
【Video】http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=14200009&c_id=mlb

特に、Lillibridgeのガッツ溢れるプレーは是非とも日本で見て見たい。


パワー系ではもう一人、Matt Downs

【BR】http://www.baseball-reference.com/players/d/downsma01.shtml
【Video】http://mlb.mlb.com/video/play.jsp?content_id=24763519&c_id=mlb


上記選手達は、いずれも今季メジャーでプレーし、現在はFAもしくはマイナー契約にシフトしている。

つまり、NPBが本気を出せば手の届く範囲にあるということでもある。


今後のストーヴリーグの行方に期待したい。


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「聞く耳を持ったらアメリカには行けません」

大谷翔平投手がどうやら日本ハムに入団しそうな雰囲気になってきた。
あれだけ(球界内で)注目された逸材なのだから、相当熱心な交渉が予想されたが
実際その通りとなったようだ。

当て嵌まるかどうかはわからないが、鍵はホスピタリティ。

「大谷君のために、メジャー球界に行って成功しなかった実例を提示」

「大谷君のために、投打二刀流を提案」

「大谷君のために、夢を一緒になって叶える」

最後のは、確か栗山監督から出た言葉だったが、人間は以外と漠然としたキレイ事に弱い習性がある。
そのキレイ事を綺麗に見せる技術を持っているのが、栗山監督最大の武器だったりして。
少なくとも、大谷の入団がこの言葉で決まるようなら、それだけでも球団が監督として契約した価値が
あるというもの。

ついでにワルノリするなら、「大谷君のために、キレイなコーチスタッフを用意しました」なんてね。


それはともかく、すご~く気になったのが外部からの助言というかアドバイスというか。


慌てることはない。日本で本物の野球を経験してからメジャーに行った方がいい=野村克也氏

僕が直接会う機会があれば、日本で技術を身につけてからがいいと伝えたい。イチロー君や松井君、野茂君、松坂君もそうだった=桑田真澄氏

日本球界を経て、力を付けて行くのもいい」と話した=岩隈久志(マリナーズ)

野村、桑田氏はいうまでもなく、引退後も独自の理論と球界改革論をもってファンからの指示も厚い解説者。
岩隈はもちろん、現役のメジャーリーガー。

普通のお茶の間のオバさん達がこれを見たら、知名度と立場からいって完璧同意するほどの顔並びになるが、
そもそも経験を踏まえて若者にアドバイスする年長者の意見として、
自分が経験していない道を薦める方が返っておかしい。


大谷が志していた道について、適切な助言を与えられる者など最初からいなかった。



一方で、LADを始めとするMLBの各球団は学校から足止めを食っているという話もある。

メジャー球団イライラ「大谷の交渉どうなっている」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121201-00000302-tospoweb-base


世論は一体どちらに傾いているのか、さっぱり読めないけれども、
あのドラフト以降、難敵の侵入を防いでから説得しやすいところから攻めに行って、
直接口説いて、そして世論を納得させられる人物にコメントを求めてマスコミが色を付ける。

反対に、大谷の方は「パイオニアになりたい」「殿堂入り」と現実逃避に近い言葉が出てくるなど、
意気込みが空回りしているんじゃないかと心配になっていたが、彼が普通に聞く耳を持っている高校生なら、
最初の志が折れても全く不思議に思わない。


MLBが労使協定によって今季から採用している海外選手との契約金上限
(290万ドル。23歳以下でプロ未経験ないしは経験5年未満が対象)も、
大谷の進路に影響を与えたものと思われる。
あと一年でも早ければ、Alordis Chapman(CIN)6年$30.25Mとはではいわなくとも、
ドラフト1巡目高校生のDylan Bundy(BAL)の5年$622Mに迫る条件を引き出せたかもしれない。

それ以前に、代理人と契約していなかったんだね、彼は。

5億も6億も積まれた上でメジャー契約を結んで海を渡ったら、
投資に見合う分だけの登板機会を与えられていた可能性は高かっただろう。
そこから次のステップが大事なのは言うまでもないが、
条件的にはかなり下がってしまったのは否定出来ない。

因みに、高卒即戦力として今や日本のエースといえるマーさん(楽天)が、
これまでにNPBで稼いだ金額は、契約金1億プラス出来高MAXを合わせて、推定で9億8000万(6年間)。
ダルビッシュがNPBでプレーした7年間だと、こちらも契約金+出来高MAXで15億6000万。
Bundyが来年からチームのエースとして働くようになって、5年契約終了直後に調停権を獲得したとしても、
MAX$300~400Mのレベルのため、高卒1年目から一軍でエース格の仕事をする条件こそあるが、
最初の5年間から7年目くらいまでは間違いなくNPBの方が稼げる。

これも、普通の聞く耳を持った親権者だったら「先ずは日本で」と思うのは当たり前である。


条件的に日本(NPB)の方が有利なら、よほどのMLBファンで無い限りアメリカ行きを薦める者もいないだろう。



では、何が話を拗れされてしまうのかというと、
世間的に注目される野球選手のサクセスストーリーが歪な形態を成しているからだとしか考えられない。
昔はプロ野球選手=NPBで、それが(進路に対する)最終的なゴールだったので、
一度入団すれば志としてはほぼ解決。
ドラフト制後によって希望球団に入れない障害のある時期もあったが、
今では昔ほど球団間の待遇格差も少なくなり、一部「巨人以外はお断り」という
選手は除き、ほぼ無事に入団に漕ぎ着けている。


しかし、同時にNPB=途中下車可能な乗降駅、MLB=最終目的という志を持った選手も増加している。
こうした希望を持つアマチュア選手に対し、入る球団によってはポスティングで早々と放出してくれたり、
反対に一切認めないという球団があるという実態は、「だったら最初からメジャーに挑戦したい」
と思わせるに十分な動機を作り出している。

(大谷を指名した球団が)日本ハムで良かったと思える人が多いのは、
比較的容易に放出してくれるイメージと実績を持っているからだが、
だからといってNPBからMLBへの移籍がルールを越えた範囲で補償されているとは言い難い。
ポスティングは飽くまでも球団の善意であると見なされ、
選手は権利以外の面で対策を講じなければならない。


何よりも、ポスティングそのものが気分の良い手段ではない。
NPBはこの制度の見直しを検討するとのことだが、容認レベルを引き上げる云々の話ではない。

NPBがポスティング改革「公開入札」へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121201-00000292-sph-base


それでも、ポスティングを通して25歳前後でMLBに行けるのなら、野球選手としては冥利に尽きる話ではある。
仮に、MLBに入った高卒の選手がもしNPBに行きたいと思っても、こうはいかない。
彼らのルールの中では6年間のメジャー登録でFAになれるが、ここに行き着くまでが容易ではない。
高校生なら、通常マイナーで早くて3年、熟成を待つなら6年か7年くらいまで待って
ようやくメジャーデビューを飾る。
今年のFAリストにはあまり良いサンプルが無いが、
昨年の例でいえば2002年のドラフトで入団したPrince Fielderが、21歳(2005年)で昇格し、
27歳のオフにFA資格を得た。
NPBでいうと、高卒1年目から開幕一軍で投げているマーさんがストレートにA資格を得ると、
これも27歳のオフに海外FA到達となる(故障期間の処理は調べていない)。

早熟だったA-Rodでも26歳のオフにFA。
そう考えると、25歳で移籍したDarvishは7年足らずの実績で渡米したという、大変恵まれた身分だった。


そのDarvishよりも短い期間で大谷を渡米させるのかどうか。
入団が決まったとしても、日本ハム並びにNPBの課題はクリアしたのではなく、
ただ単に先送りしただけのように見える。


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