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津田恒実氏の殿堂入りは基本的に間違っていない

このタイトルに反論したい方は、今年の分も含めて過去4年間の資格者と投票数それぞれを丸暗記してから出直してきてくれ。


つい先日までは、てんで感心が無かったのだが「津田が入ってブーマーが入らないのはおかしい」とか、「現役中亡くなられた方に対し温情票が集まったのでは」など、選考委員会の見識に疑いをかけるような意見を多く目にした。

かくいう私も、MVPや沢村賞といった投票で決まるアワードについては正直信頼感というものは薄い(ただし、昨季セMVPに選ばれた浅尾については同意している)。どうせなにか魂胆があるのだろうと考えても不思議ではなかったが、彼の奥さんが書いた本「最後のストライク」が、人生で初めて涙を流した本だったという人間としては、ネット界隈での意見が荒れる姿に耐え切れず、些細な範疇ではあるが日本の野球殿堂について調べてみた。そして、色々なことがわかった。ある意味、怪我の功名というか、賛否両論が起きたことについては逆に感謝したくなった。

基本的に参考とさせていただいているのは、「こちら、プロ野球人事部」さんのHP。
年俸調査の件では度々利用させてもらっているが、この件ついても詳細なデータが掲載されていたことを
知り、深く感謝申し上げたい。本当に素晴らしいサイト。
http://home.a07.itscom.net/kazoo/pro/dendou.htm

ここから津田氏の投票数を追ってみて欲しい。現在とは制度の異なる1999年から票を集めていたことがわかる。

1999年  64票(15位)
2000年  なし
2001年  74票(10位)
2002年  96票(9位)
2003年  130票(7位)
2004年  154票(6位)
2005年  なし
2006年  なし
2007年  なし
2008年  なし
2009年  111票(5位)
2010年  153票(4位)
2011年  212票(3位)
2012年  237票(選出)

殿堂入り投票は2009年を境にして投票対象となるプレーヤーが増加している。ここはまだ不勉強なので、
基準が変更になっただけと一応、考えておきたい。これを見れば、今回津田氏への投票が一過性の強いキャンペーンなどではなく、かなり以前から認識されてきたことがわかった。温情票は間違いなく入っていると思うが、それも地道なキャンペーンによって心を動かされた記者が多数いたのかもしれないと結論付けられる。

一方、今回の選出漏れで資格を喪失したとされているブーマー・ウェルズ氏の投票は、2009年から始まっている。そのブーマー氏への投票数を抜き出してみると、

2009年  91票(8位)
2010年  111票(7位)
2011年  184票(4位)
2012年  223票(資格喪失)

検討はしているものの、毎年津田氏の後塵を拝しているではないか。これで最後の年に逆転する方が返って不可解な出来事になる。ブーマー氏の活躍はよおおおおく知っているつもりだ。外国人選手に対する不公平感を取り除くためにも、今回はブーマー氏を選出した方が今後の野球界にとって良薬になるという意見には賛成だ。しかし、この長きに渡ったロビー活動の前には「ハンキュー・ベリーマッチ」も外角高目のボール球に手を出して三振という結果で当然かと思う。「最後のストライク」が発売された当初は、売名行為などある筈も無かった。その後、随分と時が経ってからドラマ化されたようであるが、一般的な知名度を得たのはそこからではないだろうか。

このように、良く知らない人が闇雲に批判しても津田氏が殿堂入りする準備は整いつつあったということだ。その点を弁えた上で批判するならしてみてはどうだろうか。


そういえば、落合博満氏も2年連続して僅か1票差で落選したニュースで賑わっていたことがあるけれど、あれも投票しなかった記者達を批判する理由は無いと思うね。そもそも、一発当選のような格付けは好きじゃないし、結果的に選出されたのだから問題はないだろう。批判されるべきは今後の行方にある。

というのも、今回津田氏もしくはブーマー氏以外で誰か適任者がいただろうか。
史上最多セーブ記録(日米通算)の佐々木主浩、先発リリーフで活躍した大野豊、最多勝5回の斎藤雅樹。
現ソフトバンク監督の秋山幸二、そして現読売監督の原辰徳らは将来の殿堂入りが有望だ。前西武監督の伊東勤も個人的にはよいと思う。しかし、問題は5年から先の話だ。

ここで、個人的主観で来年以降の殿堂入りをシミュレートすると、

2012年  大野豊、秋山幸二
2013年  佐々木主浩、原辰徳
2014年  古田敦也、斎藤雅樹
2015年  伊東勤、清原和博
2016年  桑田真澄
2017年  工藤公康
2018年  金本知憲(あくまでも予測)
2019年  山本昌弘(あくまでも予測)

将来的にはメジャーリーグで長期活躍した選手も組み込まれると思うので、ここにイチローや松井秀喜らの
名前も入ってくるだろう(金本、山本昌と同じく時期は未定)。

でもなんだかおかしい、何かが抜けている。
そう、急に基準を切り上げてしまった(要するに対象期間が早まった)ので、ある年代が抜けてしまっている。
どうしてシミュレートしたのかというと、これについて記述したかったからだ。
仮に、上の通りに選考されたとして、世代間の受賞者人数はこのように分散される。

1920年代  18人(川上哲治、大下弘など)
1930年代  19人(金田正一、長嶋茂雄など)
1940年代  13人(山本浩二、村田兆治など)    

1950年代   5人(落合、大野、東尾修、北別府学、原)
1960年代  10人(古田、佐々木など)

※、エキスパート投票、特別表彰対象者は除外


1950年代にポッカリと穴が開いたようになっている。1920年代から1930年代までの人数が多いのはある意味仕方が無い。プロ野球が発展する時期に差し掛かっていて、また投票者の世代ということも少し関係しているかもしれない。想像に過ぎないが。

この50年代に生まれた選手は今でも殿堂入り資格者が多く、その有力者達は毎年選考されながらもとうとう1960年生の津田氏まで世代が下がってきた(津田氏の有資格者特別ではあるが)。そして、資格者の基準が変更された今、ニュースの受け具合を求めるのなら知名度が高く、そして若い方が有利でもある。

そうしていくと、どうしても前の世代は不利となってしまい、挙句の果ては資格喪失に至ってしまうだろう。
これをそのまま放置しても良いのかというと、個人的な殿堂入りのガイドラインとしては、世代間で万遍なく、そして各ポジションの配分にも気を配るべきだと思っている。どうしても邪魔になるのが個人記録だ。今回のように、津田氏とブーマー氏の図りを個人成績に求めるのであれば、既に資格を喪失している元選手にも同じことがいえる。

打撃の仙人こと榎本喜一、軟式野球から転向しエースとなった土橋正幸、天秤打法が有名だった近藤和彦、18歳の四番打者こと土井正博、怪童尾崎行雄、そして金しかいらんこと星野仙一(失礼)などなど。50年代の選手は、

江川卓
真弓明信
小林繁
掛布雅之
石毛宏典
山口高志
遠藤一彦

また、韓国球界でプレーした後帰国し40歳を超えてもなお現役だった新浦壽夫や、台湾出身者でMVPを獲得した郭源治などは、グローバルな観点からすれば歴史的にも重要なトピックである。彼らが主に活躍した1970~1980年代はプロ野球の人気が最高潮に達した時代とも考えられ、この時代に憧れを抱いた元少年達は数多くいる。人によっては酷使がたたり寿命を縮めたり、分業制が始まったことでリリーフ転向の影響を受け通算勝利数の面で不利になったり、はたまたタレント活動が行き過ぎて人生設計を誤ったり、過去にも劣らず波乱万丈な世代だといえる。

今回の投票を見て、江川も掛布もそして石毛もいない。落合が昨年選出されたくらいだから、てっきりこれからなのかと思っていたが、ひょっとして資格喪失しているのだろうか?それならそれで、今後エキスパート表彰や特別表彰などの選考も残されてはいるが、1940年代から一気に1960年代まで飛ぶのはどうも納得がいかない。でも、投票の行方はきっとそうなるだろう。

これまでの殿堂入りは、引退時期からかなりの期間が経っていたため存命期間中に表彰を受けられなかった人達も大勢いたと記憶している。メジャーリーグのように、早ければ40過ぎで選出されるのは悪くないと思う。だからといって、ひと世代をまるまる失念するような変更は歓迎出来ないし、それ以前にプロ野球だけの成績を基準に置くのも少々淋しい。日本ではあれだけ高校野球熱があるのだから、そこでの力投や活躍も考慮する懐の深さが欲しいところで、それをまとめるためのジャーナリズムは絶対に必要となって来る。

そもそも、野球殿堂は選りすぐりのさらに絞った人材のみが入る場所だと誰もが思っているだろうから、本音をいえば津田氏の選出がパーフェクトだとも思っていないし、今後の選出で100%の太鼓判を押せるのは古田、イチロー、松井、そして金本くらいだろう。それ以外の候補者は世論なり、記者達のロビー活動なりで議論した上で決まれば良いとも思う。その見識が確かなのかどうかは投票者が成仏してから数十年後のことなのだから。


とにかく、津田さん、奥さん、おめでとう。
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