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「聞く耳を持ったらアメリカには行けません」

大谷翔平投手がどうやら日本ハムに入団しそうな雰囲気になってきた。
あれだけ(球界内で)注目された逸材なのだから、相当熱心な交渉が予想されたが
実際その通りとなったようだ。

当て嵌まるかどうかはわからないが、鍵はホスピタリティ。

「大谷君のために、メジャー球界に行って成功しなかった実例を提示」

「大谷君のために、投打二刀流を提案」

「大谷君のために、夢を一緒になって叶える」

最後のは、確か栗山監督から出た言葉だったが、人間は以外と漠然としたキレイ事に弱い習性がある。
そのキレイ事を綺麗に見せる技術を持っているのが、栗山監督最大の武器だったりして。
少なくとも、大谷の入団がこの言葉で決まるようなら、それだけでも球団が監督として契約した価値が
あるというもの。

ついでにワルノリするなら、「大谷君のために、キレイなコーチスタッフを用意しました」なんてね。


それはともかく、すご~く気になったのが外部からの助言というかアドバイスというか。


慌てることはない。日本で本物の野球を経験してからメジャーに行った方がいい=野村克也氏

僕が直接会う機会があれば、日本で技術を身につけてからがいいと伝えたい。イチロー君や松井君、野茂君、松坂君もそうだった=桑田真澄氏

日本球界を経て、力を付けて行くのもいい」と話した=岩隈久志(マリナーズ)

野村、桑田氏はいうまでもなく、引退後も独自の理論と球界改革論をもってファンからの指示も厚い解説者。
岩隈はもちろん、現役のメジャーリーガー。

普通のお茶の間のオバさん達がこれを見たら、知名度と立場からいって完璧同意するほどの顔並びになるが、
そもそも経験を踏まえて若者にアドバイスする年長者の意見として、
自分が経験していない道を薦める方が返っておかしい。


大谷が志していた道について、適切な助言を与えられる者など最初からいなかった。



一方で、LADを始めとするMLBの各球団は学校から足止めを食っているという話もある。

メジャー球団イライラ「大谷の交渉どうなっている」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121201-00000302-tospoweb-base


世論は一体どちらに傾いているのか、さっぱり読めないけれども、
あのドラフト以降、難敵の侵入を防いでから説得しやすいところから攻めに行って、
直接口説いて、そして世論を納得させられる人物にコメントを求めてマスコミが色を付ける。

反対に、大谷の方は「パイオニアになりたい」「殿堂入り」と現実逃避に近い言葉が出てくるなど、
意気込みが空回りしているんじゃないかと心配になっていたが、彼が普通に聞く耳を持っている高校生なら、
最初の志が折れても全く不思議に思わない。


MLBが労使協定によって今季から採用している海外選手との契約金上限
(290万ドル。23歳以下でプロ未経験ないしは経験5年未満が対象)も、
大谷の進路に影響を与えたものと思われる。
あと一年でも早ければ、Alordis Chapman(CIN)6年$30.25Mとはではいわなくとも、
ドラフト1巡目高校生のDylan Bundy(BAL)の5年$622Mに迫る条件を引き出せたかもしれない。

それ以前に、代理人と契約していなかったんだね、彼は。

5億も6億も積まれた上でメジャー契約を結んで海を渡ったら、
投資に見合う分だけの登板機会を与えられていた可能性は高かっただろう。
そこから次のステップが大事なのは言うまでもないが、
条件的にはかなり下がってしまったのは否定出来ない。

因みに、高卒即戦力として今や日本のエースといえるマーさん(楽天)が、
これまでにNPBで稼いだ金額は、契約金1億プラス出来高MAXを合わせて、推定で9億8000万(6年間)。
ダルビッシュがNPBでプレーした7年間だと、こちらも契約金+出来高MAXで15億6000万。
Bundyが来年からチームのエースとして働くようになって、5年契約終了直後に調停権を獲得したとしても、
MAX$300~400Mのレベルのため、高卒1年目から一軍でエース格の仕事をする条件こそあるが、
最初の5年間から7年目くらいまでは間違いなくNPBの方が稼げる。

これも、普通の聞く耳を持った親権者だったら「先ずは日本で」と思うのは当たり前である。


条件的に日本(NPB)の方が有利なら、よほどのMLBファンで無い限りアメリカ行きを薦める者もいないだろう。



では、何が話を拗れされてしまうのかというと、
世間的に注目される野球選手のサクセスストーリーが歪な形態を成しているからだとしか考えられない。
昔はプロ野球選手=NPBで、それが(進路に対する)最終的なゴールだったので、
一度入団すれば志としてはほぼ解決。
ドラフト制後によって希望球団に入れない障害のある時期もあったが、
今では昔ほど球団間の待遇格差も少なくなり、一部「巨人以外はお断り」という
選手は除き、ほぼ無事に入団に漕ぎ着けている。


しかし、同時にNPB=途中下車可能な乗降駅、MLB=最終目的という志を持った選手も増加している。
こうした希望を持つアマチュア選手に対し、入る球団によってはポスティングで早々と放出してくれたり、
反対に一切認めないという球団があるという実態は、「だったら最初からメジャーに挑戦したい」
と思わせるに十分な動機を作り出している。

(大谷を指名した球団が)日本ハムで良かったと思える人が多いのは、
比較的容易に放出してくれるイメージと実績を持っているからだが、
だからといってNPBからMLBへの移籍がルールを越えた範囲で補償されているとは言い難い。
ポスティングは飽くまでも球団の善意であると見なされ、
選手は権利以外の面で対策を講じなければならない。


何よりも、ポスティングそのものが気分の良い手段ではない。
NPBはこの制度の見直しを検討するとのことだが、容認レベルを引き上げる云々の話ではない。

NPBがポスティング改革「公開入札」へ
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20121201-00000292-sph-base


それでも、ポスティングを通して25歳前後でMLBに行けるのなら、野球選手としては冥利に尽きる話ではある。
仮に、MLBに入った高卒の選手がもしNPBに行きたいと思っても、こうはいかない。
彼らのルールの中では6年間のメジャー登録でFAになれるが、ここに行き着くまでが容易ではない。
高校生なら、通常マイナーで早くて3年、熟成を待つなら6年か7年くらいまで待って
ようやくメジャーデビューを飾る。
今年のFAリストにはあまり良いサンプルが無いが、
昨年の例でいえば2002年のドラフトで入団したPrince Fielderが、21歳(2005年)で昇格し、
27歳のオフにFA資格を得た。
NPBでいうと、高卒1年目から開幕一軍で投げているマーさんがストレートにA資格を得ると、
これも27歳のオフに海外FA到達となる(故障期間の処理は調べていない)。

早熟だったA-Rodでも26歳のオフにFA。
そう考えると、25歳で移籍したDarvishは7年足らずの実績で渡米したという、大変恵まれた身分だった。


そのDarvishよりも短い期間で大谷を渡米させるのかどうか。
入団が決まったとしても、日本ハム並びにNPBの課題はクリアしたのではなく、
ただ単に先送りしただけのように見える。


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