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プロ野球選手の現金授受について

今よりもさらに悪い事態も予想しなければならないかもしれないが、取りあえず今の時点で巨人と阪神、そして西武に試合中の金銭授受の事実が発覚している。該当球団とNPBは、野球協約には抵触しないと解釈しているが、飽くまでも個人的な意見として「自軍の勝敗により現金がチームメイト内を循環している」のは、処罰の対象となっている野球協約第177条(不正行為)や第180条(賭博行為の禁止及び暴力団等との交際禁止)よりも性質が悪いと考えている。

巨人の言い分はこうだ。

引用:2015年5月に5連敗した際に、チーム全体で危機感を共有するために始まった。勝敗のいずれかに賭ける行為ではなく、チームの士気を高めるという、野球協約が禁止する敗退行為とは正反対の目的があり、お金のやり取りは小額で、験担ぎの色合いもあり、賭け事とは全く異質な行為だと説明した。

巨人「敗退行為とは正反対」 「声だし」の金銭授受
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160315-00000015-ykf-spo

これに対し、いくつかのメディアが報じている俗称「円陣」と呼ばれる行いでは、チームが勝てば1人あたり5000円が「声出し役」に渡り、負けるとその「声出し役」が1000円を人数分支払っていたようだ。NPBの調査委員長を務める大鶴基成弁護士は、「1000円のために、敗退行為を考えるプロ野球選手がいるとは考えられない」としたようだが、「声出し役」から見ればチームが勝てば最大14万円を受け取れるものの、負ければ最大2万8000円を支払わなければならない。決して1000円という話でもない。

巨人、声出しが勝敗で金銭授受 NPB結論違反なし
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160315-00000009-nksports-base.view-000

巨人にも年俸500~600万円程度の低い年俸の選手がいる。そうした選手が1軍に上がって来たとき、最大14万円の収入と最大2万8000円の支出がチームの勝敗に委ねられているときの心情は、一体どんなものなのだろうか。普通の会社員で例えるなら、業績によって給料が弾む可能性と減額される可能性の二つが共存していることになるだろう。それが会社との決まりで、契約を交わしているならまだしも、殆どの選手はこうした慣習を知らぬまま入団したに違いない。野球はチーム競技。勝ちは自分だけの手柄ではないし、負けの原因も一人の責任ではない。

賭け事の定義は詳しくないが、自分自身の責任以外で収入が増えたり減ったりするのは、一体どう説明すれば良いのか。巨人とNPBの解釈は、年俸の低い選手が「声出し役」に回ったときの立場から見ていない。

さらに重大なのは、プロ野球選手の現金による出納が多過ぎるという点だ。「円陣」だけでなく、監督賞や遅刻やサインミスをしたときの罰金、さらにはメディアへのインタビューに応じたときの謝礼などもこれに含まれるだろう。手持ちの現金が増えたり減ったりすると、つい財布の紐が緩くなってしまう選手が出て来ても不思議ではない。百歩譲って「円陣」が賭け事でないとしても、自分の仕事以外の範囲で現金収支に影響が出るのは賭け事の要素を含んでいるからであり、射幸心が育つ環境にあるといえるだろう。

ここで一旦まとめると、「円陣」はチームを勝たせる以上に選手たちの射幸心を煽り、現金による出納は選手たちの財布の紐を緩める恐れがある。Wikiペディアによると、

引用:射幸心と賭博行為は密接な関係にあり、日本において賭博行為が規制されている根拠は「国民の射幸心をあおるのは勤労によって財産を得ようとするという健全な経済的風俗を害する」という理由による

となっていて、巨人を含むプロ野球チームの一部で蔓延している環境は、野球賭博とはかなり相性が良いともいえる。

射幸心~Wikiペディア~
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B0%84%E5%B9%B8%E5%BF%83

つまり、「円陣」が賭け事でないと判断しても、現金授受に慣れた選手たちを賭け事に誘い込むのは容易いことだと考えても良いだろう。連鎖を断ち切るには、選手を教育する以上にチーム内での全ての現金授受を控えるべきではないかと思う。個人的には、監督賞や罰金も不要だと考えているが、もしどうしても必要なら専門の球団職員管理の上、明細が残る方法で行えば良い。一般企業でも、個人の収入となるもので現金でのやり取りは極力行わないようにするのが当たり前になってきている。

ただ、野球を職業とする選手が野球賭博を行うのは理解が進まない。野球は野球、賭博は賭博と、どうして切り分けることが出来なかったのだろう。
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